2020 Fiscal Year Annual Research Report
Psychobiological proximate factors maintaining pro-social behavior
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18H02712
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山崎 由美子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (20399447)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 向社会的行動 / 腸内細菌叢 / 利己的行動 / 互恵的行動 / 社会的調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はヒトと同様に食物共有や利他行動など向社会的行動を示すコモンマーモセット(以下マーモセット)を対象とし、向社会的行動を強化し維持する心理生理的至近要因について検証することを目的とした。本年度は、相手に応じた利己的・互恵的・利他的選択の評価課題の訓練とテストを進めた。向社会的行動か自己中心的行動を自らが選択できる実験事態において、同居中のマーモセット2頭が互いを見ることができる条件のもとで、3刺激の選択の結果が利己的・互恵的・利他的となる弁別訓練を行った。(1)自分だけ餌(利己的)、(2)両者に餌(互恵的)、(3)相手にだけ餌(利他的)、の3条件とし、まずベースライン条件でどのような選択率となるかを評価した。3つの図形と選択結果との関係を3パターン用意し、それぞれのパターンで安定した選択となるまで弁別訓練を行った。3ペアを用いて訓練を行った結果、どの個体も、選択結果に応じて安定したパターンで図形を選択するようになり、3つの機能に基づく弁別が可能であることが示された。相手にのみ益をもたらす図形の選択は、訓練の進行とともにほとんど見られないようになった。自分あるいは他者に対する報酬をもたらす選択に分けて解析したところ、前者の選択は後者よりも早く安定化することが示され、自分に対する報酬への感受性がより高いことが分かった。テストとして、相手が利己的選択、互恵的選択を事前に示すことによって、自らの選択がどうような方向に変わるか検証を行った。その結果、相手が自己中心的な行動を示した後でも、自らの互恵的な選択は減少しなかったが、自身のテスト前に相手の自己中心的、互恵的行動を見ること自体により、利他的行動が減少した。したがって、マーモセットは自分と他者にもたらされる報酬により、自らの行動を調整し、その傾向は個体ごとに異なることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)