2018 Fiscal Year Annual Research Report
紀伊ALSのバイオマーカーと原因遺伝子同定を目的とした多施設共同レジストリー研究
Project/Area Number |
18H02743
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
伊東 秀文 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20250061)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 宜昭 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (50590436)
安井 昌彰 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50714284)
廣西 昌也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80316116)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / 紀伊 / 多施設共同 / レジストリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、和歌山県内の新規発症ALSを多施設共同で全例登録し、前方視的に観察を行うレジストリを構築し、Kii ALSの臨床症状の全貌を明らかにし、Kii ALSを孤発性ALSから識別するバイオマーカーを見出してKii ALSに特異度の高い臨床診断基準を確立し、Kii ALSの均質な患者集団を構成して遺伝学的に解析することでKii ALSの原因遺伝子を同定することを目的とする。本研究ではALS患者の要配慮個人情報を収集することから、初年度である2018年度はまず、個人情報の取扱い方法や患者への説明文書、同意取得方法などが適切であるか、研究対象者が拒否できる機会が保障されているか、等について本学の認定倫理審査委員会で審査を受け、承認を得た。その後、研究対象者登録票および検査結果記録票を作成した。これをもとに、要配慮個人情報を前向きに、かつ電子的に安全に収集して保管するための中央登録システムをユニオンシンク社に依頼して構築した。データの管理は本学附属病院臨床研究センターのデータセンター部門の支援を受け、登録業務からデータのクリーニング作業、関連資料の保管などに関して協力を得られることとなった。以上のシステム構築を完了したことから、2019年2月23日に共同研究施設の代表者が全員参加してキックオフミーティングを開催し、各施設に検査キット・質問紙ファイルを配布し、2019年3月から患者登録を開始した。現在までに3名の患者が登録された。一方で、登録した患者が死亡した場合に、病理解剖の同意が得られた患者検体を神経病理学的に検索するための試薬等を整備した。また、研究を推進するための情報収集を目的として日本神経学会学術大会、世界神経病理学会学術大会(ICN2018)等に参加し、本研究課題に関連した演題発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に計画した①認定倫理審査委員会の承認、②研究対象者登録票と検査結果記録票の作成、③電子的中央登録システムの構築、④キックオフミーティングの開催と検査キット・質問紙ファイルの各施設への配布、⑤患者登録の開始、⑥神経病理学的検索のための試薬・ガラス器具の整備、⑥学会への参加、のすべてを完遂した。患者の登録数は計画に満たなかったが、一方で、本学附属病院臨床研究センターデータセンター部門から、研究対象者の登録業務、データのクリーニング、関連資料の保管などに関して支援を受けられることとなり、データの信頼性・安全性を当初計画よりも高めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に構築した中央登録システムを活用し、積極的に研究対象者の登録が行えるよう、共同研究施設間で定期的にミーティングを行い、登録を促進していく。
|