2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new therapeutic strategies for hypoxic tumors
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18H02757
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
志賀 哲 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (80374495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
安井 博宣 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (10570228)
趙 松吉 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80374239)
竹内 啓 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30374515)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PET / 低酸素 / 治療戦略 / エリブリン |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、多種の担癌モデル動物においてエリブリンが腫瘍内低酸素状態の改善に寄与する薬剤であるとのProof of Concept(POC)取得を行う「①小動物PET、オートラジオグラフィー(ARG)、病理との対比によるPOC取得」と患者を対象に腫瘍の低酸素状態を評価し、エリブリンが腫瘍内低酸素状態の改善に寄与する事を探索的に評価する「②臨床でのPOC取得の為の探索的検討」の2つのサブ研究に分かれており、それぞれの進捗状況につき記述する。 ①小動物PET、ARG、病理との対比によるPOC取得 エリブリンと放射線の治療評価のための乳がんモデルとしてMDA-MB-231移植腫瘍モデルを樹立した。本モデルにおいて[18F]FMISOによる低酸素描出が可能かどうかを検討し、小動物用PET-CTにより腫瘍への[18F]FMISO集積が認められたことを確認した。エリブリンについては、製薬会社との原体提供契約を締結し、動物実験に必要な量を確保できた。 ②臨床でのPOC取得の為の探索的検討 平成30年10月16日研究開発振興課事務連絡事項や共同研究者・臨床研究事務局との話し合いの結果、まず、エルブリンの薬事承認が下りている再発乳癌・悪性軟部腫瘍で臨床研究非該当のいわゆる観察研究を行うこととなった。本臨床研究の実施・管理に関する標準業務手順書(モニタリングに関する標準業務手順書・データマネジメントに関する標準業務手順書・統計解析計画書等)の作成・整備を行った。また、低酸素イメージングPETプローブ、[18F]FMISOを北海道大学病院にて製造し、臨床試験に用いるため、 [18F]FMISO注射液標準書、及び[18F]FMISOの製造・品質試験に関する標準操作手順書・記録書類(「[18F]FMISO注射液製造」標準操作手順書、[18F]FMISO注射液試験成績書など、22種)を作成、または改訂した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①小動物PET、ARG、病理との対比によるPOC取得 平成30年度の計画は以下の通りである:乳がんおよび膵臓がん等の移植モデルを作成する。エリブリンを処理した後の腫瘍縮小の程度から、評価に適したエリブリンの濃度を決めた上で、低酸素領域の変化を[18F]FMISOを用いたPETにより評価を開始する事であった。今年度は、乳がんモデルとしてMDA-MB-231移植腫瘍モデルを樹立できた。本モデルにおいて[18F]FMISOによる低酸素描出が可能かどうかを検討し、小動物用PET-CTにより腫瘍への[18F]FMISO集積が認められたことが確認できた。エリブリンは、動物実験に必要な量を確保できた。 ②臨床でのPOC取得の為の探索的検討 平成30年度の計画は以下の通りである。;研究計画のブラッシュアップおよび規制当局への対応、認定臨床研究審査委員会の対応を行い、早期の臨床試験実施を目指す事であった。今年度は、本研究の臨床研究法における扱いを決めることができ、本臨床研究の実施・管理に関する標準業務手順書(モニタリングに関する標準業務手順書・データマネジメントに関する標準業務手順書・統計解析計画書等)の作成・整備を行う事ができた。また、低酸素イメージングPETプローブ、[18F]FMISOを北海道大学病院にて製造し、臨床試験に用いるため、 [18F]FMISO注射液標準書、及び[18F]FMISOの製造・品質試験に関する標準操作手順書・記録書類(「[18F]FMISO注射液製造」標準操作手順書、[18F]FMISO注射液試験成績書など、22種)を作成、または改訂ができた。 以上より上記の区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
①小動物PET、ARG、病理との対比によるPOC取得 前年度に開始した担癌動物においてコントロール群とエリブリン投与群における、腫瘍体積、[18F]FMISO集積、病理組織学的所見(低酸素、細胞増殖、細胞死、血管新生等)に関する評価を継続する。また、得られた画像所見と病理組織学的所見との比較検討を開始する。低酸素状態を改善する他の薬剤(ベバシツマブ、スニチニブ)を処理した後の低酸素領域の変化を[18F]FMISOを用いたPETによる評価を開始する。エリブリン投与群とその他の低酸素状態を改善する薬剤での結果を比較することで、エリブリンの持つ新しい薬効メカニズムを明らかにし、前臨床におけるPOCを取得する。
②臨床でのPOC取得の為の探索的検討 倫理審査委員会での承認を得て臨床試験を開始する。
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Research Products
(1 results)