2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of minimum invasive real-time markerless image guided radiotherapy technique using minimum space information.
Project/Area Number |
18H02758
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 伸一 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50463724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 直樹 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00552879)
高尾 聖心 北海道大学, 大学病院, 助教 (10614216)
梅垣 菊男 北海道大学, 工学研究院, 特任教授 (40643193)
橋本 孝之 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (60400678)
木下 留美子 北海道大学, 大学病院, 助教 (70507582)
吉村 高明 北海道大学, 大学病院, 診療放射線技師 (70807742)
西岡 健太郎 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (80463743)
加藤 徳雄 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80572495)
田口 大志 北海道大学, 大学病院, 助教 (90374454)
松浦 妙子 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90590266)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医学物理(学) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、陽子線治療ガントリー設置動体追跡装置の2軸X線透視装置を発展させ、現状より更に低侵襲で尚且つ腫瘍や体内臓器の空間的・時間的変動や呼吸性移動を考慮したがん治療が実現できる実時間画像誘導放射線治療システムを創造することを目的としている。 動体追跡装置では2方向X線透視画像から特徴点の3次元位置座標をリアルタイムに計算し、様々な呼吸位相から治療計画に用いたのものと同じ呼吸位相を時間的に演算によって切り出しゲーティング治療を実現している。透視X線は治療放射線を照射する時間以外にも待機的に用いられているため本来不要な被曝が生じており、特徴点の抽出・認識にマーカを使用する必要があるため、観血的手技が必要などの患者負担が生じている。 まず初年度の実績として、マーカを用いずにゲーティング治療を行う手法についての特許出願を行った(特願2019-056069, 2019)。この特許出願は本研究で想定している特徴点近傍に領域を絞って情報を得て判断を行う画像認識手法を用いており、実際に治療を行う際に必須の物となる。正常組織の線量負荷を低減することの臨床的意義を検証する研究を実施した。 次に次年度の研究活動として、実時間画像誘導放射線治療をダイナミックMRI画像を用いて行うための研究推進体制の検討並びに市場調査等を行い、将来的に実用的に用いることができるものとなるかどうか実装可能性の検討を企業研究者との間で行った。また、透視X線被曝を極限までに低減するための手法について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに行われている方法とは異なり、画像を取得する領域、面積を最小限度に絞り込むためにはX線透視領域を限りなく狭くするための透視装置要件の検討、絞り機構の改良、観測すべき領域の過不足の無い設定および透視データを転送するフラットパネルの情報読み出し手法などを総合的に検討する必要がある。これらの検討を行うために、平成30年度は実時間画像誘導陽子線治療時の透視画像データ、治療ログファイルを用いる前段階として、4D-CTの容積データを扱うことのできるデジタルファントムの利用が可能となるよう環境を構築し、これを用いることで呼吸性移動を持った治療中の2方向X線透視画像から特徴点近傍のみを抽出した画像を作成し、この画像を用いて所定の治療放射線制御が可能かどうかシミュレーションを行うソフトウェア環境を構築した。金属マーカを用いずX線透視画像の特徴点のみを用いるゲーティング照射を行う手法につき特許出願を行った(特願2019-056069, 2019)。本年度は、前年度に構築した研究体制と成果を用い、透視X線被曝を低減し特徴点周囲に限った領域を精緻に観測して照射制御に必要かつ充分な最小領域の情報についての研究をダイナミックMRI画像を用いて進めることを可能とし、製品実装し実現するための用件等の検討を行う想定であった。しかしながらMRI機器構成に関して検討を進める過程に於いて実装側・研究機関の体制変更等の要素が発生し、一時的に研究項目に関して停滞が発生した。そのため、すでに陽子線治療機器に実装されているCBCT装置によって取得した画像により体内臓器の位置情報を発展的に取得する機器開発・方法論構築を推進することとした。このことにより次年度以降に本機器から生成される画像を用いて発展的に人工知能、機械学習手法による照射が検討できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、実時間画像誘導放射線治療データによる解析、極小領域画像ゲーティング技術開発、MRI画像利用と技術開発、臨床画像取得・評価、動体追跡透視画像処理の要素からなり、これらを研究代表者清水が統括している。平成32年度に相当する令和2年度に於いては、現在までの進捗状況を鑑み、前年度までに構築したデジタルファントムを含む数値情報ならびに新規に画像が取得可能となる2軸CBCT装置からの画像を、機械学習、人工知能等の手法を用い、特徴点近傍を抽出した限局的画像からゲーティング照射が可能であるかどうか、透視X線被曝のさらなる低減が可能であるかどうか、実際の治療患者データが利用可能となればそれも含め、検討を行っていく。
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Research Products
(20 results)