2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規スリット膜関連タンパクMAGI-2の機能解析とスリット膜形成メカニズムの解明
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18H02823
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
淺沼 克彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60449064)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポドサイト / スリット膜 / MAGI-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓は血液濾過を行い、体内で産生された老廃物を尿に捨てる臓器である。腎臓の中で、血液濾過を行う部分は糸球体であるが、その構成細胞である糸球体足細胞(ポドサイト)は、極めて特殊な構造を持ち、足突起間に存在するスリット膜は、血清白の最終濾過障壁として働いている。そのため、ポドサイトが障害を受けると足突起とスリット膜の構造・局在変化が起き、慢性腎臓病(CKD)は進行していく。これまで、ポドサイトに発現する分子が多数同定されているにもかかわらず、培養条件下で、ポドサイトの特殊構造(足突起とスリット膜)の再現に完全に成功した研究はない。本研究では、スリット膜裏打ち蛋白であるMAGI-2の機能解析からポドサイトにおけるMAGI-2の蛋白機能を明らかにし、足突起とスリット膜形成維持メカニズムを解明することを目的としている。これまで、ポドサイト特異的MAGI-2ノックアウトを作成し、MAGI-2がポドサイトのスリット膜の形成と局在に重要な役割を果たすことを見つけて報告している。 2019年度は以下の研究実績をあげている。 ①ポドサイトにおけるMAGI-2の蛋白機能解析:スリット膜タンパクとMAGI-2との蛋白間相互作用を生化学的手法を用い検討し、様々なスリット膜蛋白とMAGI-2が結合することを示した。 ②MAGI-2がスリット膜タンパクの局在と発現量を制御することを生化学的手法を用い証明した。 ③inducibleポドサイト特異的MAGI-2ノックアウトマウスの作成と病態モデルの作成:MAGI-2 FLOXマウスとpodocin are ERT2Creマウスを交配しinducible ポドサイト特異的ノックアウトマウスの作成しそのphenotypeを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の達成した研究をさらに進め、現在、英文誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究をさらに進めることと、inducibleポドサイト特異的MAGI-2ノックアウトマウスに様々な腎障害を誘発し、phenotyoeを検討することにしている。
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