2018 Fiscal Year Annual Research Report
NGS解析による膵癌微小環境とゲノム不均一性の解明とその治療への応用
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18H02881
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
進藤 幸治 九州大学, 大学病院, 助教 (00788432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 重隆 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00529802)
前山 良 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10611668)
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
中村 雅史 九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)
仲田 興平 九州大学, 大学病院, 助教 (30419569)
江上 拓哉 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40507787)
宮坂 義浩 九州大学, 大学病院, 助教 (40507795)
鬼丸 学 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80529876)
池永 直樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90759755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵臓癌 / 次世代シーケンサー / 遺伝子変異解析 / KPCマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
予後が非常に悪い膵癌研究において、膵癌自然発生遺伝子改変マウスは強力な研究ツールで、膵癌患者の疑似的モデルとして特に有用である。本研究の目的は、前癌病変PanINの段階的進展に伴って重積する遺伝子変異、および癌化から転移や播種に至る各段階での課程を、KPCマウス(KRAS, TP53遺伝子変異マウス)から取得したDNAおよび次世代シークエンサーを用いて詳細に解析し、それぞれのkey mediatorを発見し、制御する方法を開発することである。 現在まで、ヒト膵癌組織を用いてターゲットシークエンスを行い、変異遺伝子の差異により異時性多発病変と再発病変を区別できる可能性があることを証明した。KPCマウスの週齢ごとに、膵癌が進展していく各段階の組織像が認められた。KPCマウスの末梢血および形成した腫瘍のFFPE(ホルマリン固定)サンプルよりゲノムDNAを抽出した。充分量であることを確認の上、NovaSeq (Illumina)でエクソームシークエンスを行った。原発巣なし、原発巣あり/転移巣なし、原発巣あり/転移巣ありの3群に分け、まずは同一個体において、末梢血もしくは血性腹水のCD45陽性分画とCD45陰性(CTC:Circulating tumor cell)分画の遺伝子変異を比較し、CTC分画とFFPEサンプルの遺伝子変異を比較した。次に、対象群も含めた個体間において、遺伝子変異の蓄積・変動を比較した。解析には、癌抑制遺伝子と癌遺伝子として既報のある409個の遺伝子を選んだ。現在、シークエンスは終了しており、quality checkと解析結果を待っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KPCマウスから血液および腫瘍サンプル抽出までといった、最も時間のかかる部分がほぼ終了している。血液からのDNA量は、多量ではないもののシークエンスにかかる分量があることは確認できた。また、それぞれ段階別のKPCマウスを使用し、PanINの状態、膵癌(担癌)状態、また、播種や肝転移をきたした状態すべてにおいてDNAの抽出が可能であった。現在、シークエンスの結果を待っている状態であり、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在エクソームシークエンスの結果を待っている状態である。結果解析の注目すべき点として、癌抑制遺伝子と癌遺伝子として既報のある409個の遺伝子を選んだ。その中でも主に、膵癌に関連のある遺伝子と、膵癌微小環境因子として、fibroblastに関連のある遺伝子、granulocyteやneutrophilを含む免疫細胞に関連のある遺伝子に着目して、膵癌の進展に伴い遺伝子変異の数や種類にどのような違いがみられるのかを検討していく。また、同定した各段階の遺伝子変異をマウス生体からのリキッドバイオプシーなどで発見することが可能かどうかを検証し、候補遺伝子を標的として、CRISPER-Cas9ゲノム編集技術により任意の遺伝子変異を導入し、治療実験を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Clinical assessment of the GNAS mutation status in patients with intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas.2019
Author(s)
Ohtsuka T, Tomosugi T, Kimura R, Nakamura S, Miyasaka Y, Nakata K, Mori Y, Morita M, Torata N, Shindo K, Ohuchida K, Nakamura M
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Journal Title
Surg Today
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed