2019 Fiscal Year Annual Research Report
地域を網羅した大規模救急患者レジストリ分析による救急医療改善の新たな試み
Project/Area Number |
18H02902
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 朗 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00536170)
平出 敦 近畿大学, IRセンター, 教授 (20199037)
北村 哲久 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30639810)
鍬方 安行 関西医科大学, 医学部, 教授 (50273678)
片山 祐介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50747144)
石見 拓 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (60437291)
溝端 康光 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90420736)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 救急医学 / 疫学 / 公衆衛生 / データレジストリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の都市圏において救急隊要請時点から患者の転帰に至るまでの救急搬送患者情報を地域網羅的に収集された大規模データベースを用いて統計学的に解析し、救急搬送患者の記述疫学的分析や救急搬送患者の予後に影響を及ぼす要因に関する評価を行うことである。 蓄積されたデータセットのクリーニング方法は既に確立し、蓄積データのプロファイルについては下記論文紙面上で公表した(Okamoto, et al. Acute Medicine & Surgery. 2019;6:12-24)。 クリーニング済みのデータセットを用いて「2018年に発生した大阪北部地震における救急搬送患者の病態並びに予後に関する研究」(第22回日本臨床救急医学会で学会発表済)においては、「都市部で発災した地震災害による患者の病態や転帰については明らかにされていない。2018年6月18日に発災した大阪北部地震において救急搬送された患者の75.2%が女性であり、救急搬送に要した時間は中央値37分(四分位範囲; 30-51分)であった。救急搬送患者の53.3%が救急外来での診療で帰宅し、45.3%が入院加療を要した。入院加療を要した患者97名のうち27名が大腿骨骨折、13例が腰椎骨折であり、21日後の予後では47名が自宅退院し、41名が入院継続していた」ことを明らかにした。 また、「救急搬送患者の長期入院に与える要因に関する研究」(第47回日本救急医学会で学会発表済)においては、「救急搬送患者のうち21日時点で入院を継続した症例には高齢者、交通事故、住所不定、要介護状態といった要因が関係していた」ことを明らかにした。以上の研究については英文誌で公表すべく原稿作成中であり、その他の研究についても現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
継続的なデータ収集については行政機関及び消防機関の協力のもとに実施できており、蓄積したデータのクリーニングについても順調である。 さらに、上記のように蓄積したデータセットを用いて、救急医療に関して多角的に疫学的研究を進めており、様々なエビデンスを明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も各研究協力機関と連携して、救急医療に関する疫学研究を多面的に行っていく予定である。
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