2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18H02956
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 康博 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20380389)
清木 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)
吉田 茂生 久留米大学, 医学部, 教授 (50363370)
村上 祐介 九州大学, 医学研究院, 助教 (50634995)
有馬 充 九州大学, 大学病院, 助教 (60772845)
中島 欽一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80302892)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然炎症 / 網膜自己再生 / リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年眼科領域での再生医療は目覚ましい発展を遂げ、ES細胞やiPS細胞を用いて立体網膜や神 経節細胞を再構成できるようになった。困難とされてきた視覚関連神経再生が「先の見える目 標」となり、失明患者の福音になると思われる。一方、幹細胞を補充する再生医療には倫理 的・経済的に乗り越えるべきハードルがあり、適応も病期が進行した一部の患者に限定される。 再生医療は機能が失われた場合だけに行うものではない。申請者は「見えない患者を見えるようにする再生医療」と「視機能が低下する前に介入的に行う再生医療」を別立てで考えてきた。 本研究の目的は、眼組織が決定的なダメージを受ける前に眼局所において内在性幹細胞を賦活 化し、原疾患治療と同時に細胞レベルの再生を行う「自然再生治療」に道を拓くことである。 これまで後眼部疾患の「自然再生医療」の可能性を探るために、「網膜剥離モデル」「実験的ぶ どう膜炎モデル」「視神経挫滅モデル」の3つのマウス疾患モデルを使用した。我々の予備実験でこれらの疾患モデルにおいても、in vivoでex vivo同様の自己増殖能を獲得した前駆細胞が確認されたため、疾患モデルで前駆細胞を高い精度で抽出し、抽出物プロテオ ーム解析と次世代シーケンサーを用いたRNAシーケンスを行い、網膜神経幹細胞誘導・増殖因子の候補となるタンパク・遺伝子を同定するためである。視神経挫滅モデルが安定して誘導できず解析が進んでいないが、一昨年までに他の二つのモデルで候補タンパク・遺伝子を40個程度まで絞り込むことに成功した。昨年度は魚類を使用してこれらの候補遺伝子の生体内での解析を行い、候補遺伝子を3つに絞り込んだ。 今年度はこのカクテルをin vivoモデルに導入し、効果の確認を行う。同時に特許申請を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はマウス網膜剥離モデル、実験的ぶどう膜炎モデ ル、視神経挫滅モデルシステムを用いて解析した。Nestin-EGFP 及び Pax6-EGFP トランスジェニックマウスを用いて作成したモデルから網膜組織を摘出し、 コラゲナーゼ処理で単細胞 にする。磁気ビーズとフローサイトを組み合わせて、コンタミの無い陽性分画を取り出した。シングルセル由来のRNA を分離し、次世代シーケンサーでゲノム解析を行った。異なる疾患モデルを比較し、共通して変動する因子をスクリー ニングした。ゲノム解析に加えて、プロテオーム解析も併用することでスクリーニングの精度を上げることができた。 精製細胞分画からタンパクを抽出し、二次元電気泳動を行い、ソフトウエア上で詳細に比較し、3 疾患で共通してシフトのみられたスポットの切り出しを行い、 質量分析を行うことで候補タンパクを同定する。視神経挫滅モデルが安定して誘導できず解析が進んでいないが、他の二つのモデルで候補遺伝子を40個程度まで絞り込んだ。この遺伝子の改変を魚類を使って行い、候補遺伝子を3つに絞り込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
3つの遺伝子を抑制する核酸を疾患モデル硝子体腔に注入することで、内在性幹細胞由来の神経細胞がシナプスを形成し、視機能向上することが確認する。同時に特許申請を行う予定である。
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