2020 Fiscal Year Annual Research Report
包括的1細胞オミックス解析を用いた創傷治癒関連細胞の多様性獲得機構の解明
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18H02962
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 克弥 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (70722750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 亮一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30509310)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生医学 / 発生・分化 / 発現制御 / 病理学 / 組織・細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のシングルセル解析の最大の問題点は、個々の細胞の組織内位置情報の欠落である。 Visium(10x Genomics)は、組織における遺伝子発現解析の位置情報を取得できる、シングルセル解析の問題点を克服した最新の空間的トランスクリプトーム解析法である。そこで本年度は、皮膚創部サンプル(受傷後 1 日目、3 日目、7 日目、14 日目) を用いて Visium 解析を行い、組織内位置情報を具備した微小環境領域(およそ 20-30 細胞が存在)での遺伝子発現解析を行った。その結果、受傷後 1 日目、3 日目では遺伝子発現を指標として 3 クラスター、受傷後 7 日目では 4 クラスター、受傷後 14 日目では 5 クラスターに分類された。 次に各受傷時間のクラスターにおける統計学的に有意に上昇している遺伝子数を調べた。その結果、受傷後 1 日目では 153 種類(各クラスターを合算)、3 日目では 20 種類、受傷後 7 日目では 640 種類、受傷後 14 日目では 575 種類の mRNA が特徴的に発現上昇していた。 Visium 解析では、組織の状態によって解析精度が左右される。今回の実験では、受傷後 3 日目のサンプルについて再度検証が必要となった。 今後は、Visium 解析とシングルセル解析結果を統合することにより、組織位置情報を具備したシングルセルレベルにおける遺伝子発現様態が明らかになると思われる。現在、既存のシングルセル解析データと私達の Visium 解析結果の統合解析を進捗させている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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