2018 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological investigation of risk factors for childhood leukemia onset and adverse effects among survivors
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18H03044
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
浦山 ケビン 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 部長 (60726850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正稔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10406267)
真部 淳 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医長 (20292849)
清河 信敬 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児血液・腫瘍研究部, 部長 (60195401)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児がん / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胎児期からの環境要因が小児ALLの発症にリスクに影響を持つことを示唆する欧米での知見を踏まえて、日本人において胎内環境・生活習慣等の環境要因と遺伝素因がそれぞれどのように小児ALLの発症リスクに影響するかを症例対照研究から解明する。 関東近郊の医療施設で本研究に参加する7つの病院において、2000年1月から2022年12月までの間に小児血液がん(白血病とリンパ腫)と診断された患児に本研究への参加協力を依頼する体制を立ち上げた。本研究への症例群参加資格基準は(a)診断時年齢が19歳以下、(b)過去にがんおよび先天性疾患の診断を受けたことがない者、(c)調査地域に在住する者、(d)日本国内で生まれたもの、(e)代諾者のうち少なくとも一人が日本語の読み書きができる者とした。 環境要因を調べるため、海外の症例対照研究で使用されている質問紙をもとに(California Childhood Leukemia Study, UC Berkeley)、日本の社会や文化基準に合わせた自己記入式質問紙を作成した。質問紙に含まれる内容は、妊娠前後から子育て期までの母子の健康状態(母子手帳から情報を提供)、居住歴、医薬品使用歴、出産歴、集団生活の経験の有無、両親の社会経済的地位に関するものである。遺伝素因は唾液検体採取キットを用いて調べることとした。その方法として、研究参加者の自宅へキットを郵送して自宅にて唾液の自己採取をするよう依頼し、採取後に研究本部へ郵送してもらう手順を踏んだ。また、研究についてさらに詳しい情報を参加者へ提供するためにwebサイトも作成した (http://www.epi-hc-children.jp/index.html)。 本年度は70人の患児からインフォームドコンセントを得られた。70人すべての患児は質問紙に回答し、唾液検体は約90%から得られた。回収された質問紙のデータ入力は完了し、DNAもすべてのサンプルから抽出され、-80℃で保管されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年1月、当初の予想に反し、研究協力病院での倫理審査に時間がかかった。承認を得るまで症例の調査が開始できず、進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにリクルートを実施した7つの協力病院において、引き続きリクルートを実施していく。研究終了までのリクルート目標数は約300-400症例である。今後は調査地域の拡大や本研究に参加する病院を増やすことを計画しており、そのために小児血液・がん学会とも密に協力していく予定である。さらに、対照者のリクルートは各患児に対し年齢(±6ヶ月)・性別・居住地区をマッチさせた対照者候補を各患児の居住する自治体の住民基本台帳から無作為抽出し、患児と対応する対照者1-2例のリクルートを実施する。疫学データ・生殖細胞系DNA・医療情報(症例のみ)の収集生育歴・養育歴・生活環境等についての自記式質問票(妊娠・出産・成長・予防接種に関する内容は母子健康手帳から転記)を用いて幼少期の情報を収集する。研究参加者と実両親の唾液検体から生殖細胞系列DNAを精製し、保管する。生存者コホート研究では、症例対照研究でリクルートされた小児血液がん経験者を前向きに追跡調査を実施する。長期フォローアップに関する質問紙を用いて、生存者コホートに属する患児から治療状況、健康状態、学業面、運動面、食生活、心理社会面の情報を収集する。
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