2020 Fiscal Year Annual Research Report
ハンセン病医療倫理学の創出に向けた学術的基盤の構築とカリキュラム開発
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18H03075
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
近藤 真紀子 (前田真紀子) 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (70243516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀岡 智美 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 研究課程部長 (50323415)
廣畑 聡 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90332791)
兵藤 好美 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (90151555)
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
竹田 芳弘 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (20171655)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
宮原 信明 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
岡 久雄 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 特命教授 (80116441)
本村 昌文 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80322973)
桑原 敏典 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (70294395)
大浦 まり子 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (40321260)
生田 由加利 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (00534794)
樋之津 史郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80323567)
吉川 あゆみ 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (00825755)
真壁 五月 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (90274050)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ハンセン病 / 医療倫理 / 人間の尊重 / 実存的苦悩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「ハンセン病医療倫理学」あるいは「ハンセン病と人間の尊厳」の講義で使用する、副読本およびデジタル教材を作成した。 副読本では、ハンセン病に罹患することで過酷な人生を歩まれたハンセン病回復者A氏のライフレビューと対比する形で、A氏が撮影した療養所の美しい自然の写真を収録した。「療養所の自然の美しさと祈り」をコンセプトに、虫と花・海と空・鳥と空といった、療養所の自然と語り合う中で、人智を越えた大いなる存在とつながり、命の根源へと向かったA氏の哲学的思索で構成した。 ギリシャ哲学から紐解く哲学者による解説は、ハンセン病回復者の思索を哲学へと昇華し、ハンセン病文学に加えて、「ハンセン病者による在野の哲学」という新たな分野を切り拓く可能性を示唆した。ハンセン病という病いが、生きることの根源を問う病いであるからこそ、人間存在の根源に迫る哲学へと向かうと考えられる。 アウシュビッツがホロコーストやジェノサイドの再来を押さえ、原爆体験が核兵器使用の抑止力となるように、ハンセン病は人間の尊厳・医療倫理を考える上で、教訓として語り継ぐ必要がある。一方、いじめ・虐待などの現在進行形の苦しみの中にある子ども達、社会が激変し先が見えない未来を生きる若者に対して、本書は、実存的苦悩を超えて生き生きと生き、エリクソンのいう統合VS絶望(叡智)を体現する、ハンセン病回復者の人間的強さ・優しさ・撓やかさを伝える書である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)