2019 Fiscal Year Annual Research Report
看多機で活躍する看護職のコンピテンシーの明確化とケアの質評価システムの構築
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18H03076
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞鍋 雅史 嘉悦大学, ビジネス創造学部, 教授 (20537071)
撫養 真紀子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60611423)
小野 博史 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (70707687)
新居 学 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (80336833)
芳賀 邦子 秋田看護福祉大学, 看護福祉学部, 講師(移行) (90792565)
粟村 健司 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (80822741)
渡邊 里香 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30822762)
濱上 亜希子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (70780485)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護小規模多機能型居宅介護 / コンピテンシー / 看護の質評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.看多機で働く看護師のコンピテンシーの明確化 エキスパートパネルによる妥当性の検討:平成30年度に明らかにした看多機の看護師の行動特性を基に質的・帰納的に分析し、看多機で働く看護師のコンピテンシー案を作成した。作成したコンピテンシー案について、看多機の運営者、実践看護師等からなるエキスパートパネルを2回開催し、内容妥当性の検討を行った。最終的には【その人の生活の中で歩み寄りを続ける】【最期まで「生きる」を支える】等大項目8個、小項目48個に精錬した。 2.看多機のケアの質評価指標の開発 ①運営方針の検討:看多機の運営方針の現状を明らかにするために「介護サービス情報公表システム」に登録されている全国の看多機479施設の運営方針に関するテキストデータを運営方針の施設間での一致率と内容の分析を行った。運営方針は小規模多機能型居宅住宅(小多機)の施設運営指針を反映するものが多く、このことは看多機が小多機に機能が付加される形で制度設計が行われたことに影響していると推測された。比較して、看護を特徴づける表現である「看護」「ニーズ」という語の使用頻度は低く、看多機ならではのサービスはまだ十分に説明されていないと考えられた。 ②経済的指標の検討:a)運営上の重要項目の検討:昨年度実施した看多機責任者からのインタビューデータ分析結果をもとに運営上の工夫についてまとめた。b)経営維持に関連する要因の検討:2015年の国勢調査の各県の人口データ、高齢化率、人口密度、および2018年12月の厚生労働省の介護サービスデータベースを利用し看多機の設置についての影響要因について分析を行った。看多機は、人口密度の高い地域に集中しており、人口が少なく、高齢化率が高い農村地域には少なかった。看多機を維持するためには採算性と人員の確保が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
看多機で活躍する看護師のコンピテンシーについてはエキスパートパネルを経て精錬されてきた。看多機のケアの質評価指標に関して構造・過程・アウトカムの側面から枠組みができ、経済的指標として複数のデータベースを統合して分析が進んでいる。看多機の成立要因を検討した論文はAsian American/Pacific Islander Nursing Associationの学会においてベストポスター賞を受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
看多機で活躍する看護師のコンピテンシーについては、今後、全国の看多機で働く看護師へその内容を提示し妥当性を問う質問紙調査を計画している。経済的指標については現在の分析を進めていく。加えて、看多機の安定した経営のために影響を及ぼす要因を探求していく。
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Research Products
(5 results)