2021 Fiscal Year Annual Research Report
Creating Research Ethics through the Development of Communication Channels with People with Dementia
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18H03106
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
諏訪 さゆり 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (30262182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兪 文偉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20312390)
辻村 真由子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (30514252)
平野 成樹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375756)
石丸 美奈 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (70326114)
井出 博生 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 特任准教授 (80361484)
川瀬 貴之 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (90612193)
小林 聡子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (90737701)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 研究倫理 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、文書読解時の眼球運動および映像の解析を通して、認知症高齢者の文書読解の特徴を明らかにし、研究の倫理的配慮において、認知症高齢者にとっ てより読みやすく分かりやすい文書の作成および文書読解時の支援に関する示唆を得ることである。 研究デザインは混合研究法とした。対象者は、アイトラッカーが使用可能な認知症高齢者であり、大学病院に通院中の者6名、通所介護サービスの利用者7名であった。重症度(CDR)は、軽度6名、中等度6名、重度1名であった。眼球運動の計測はTobii Proグラス2を使用し、対象者毎に2回実施した。1度目の計測では文書は原文を使用し、2回目の計測で読みやすさを考慮し文字数等を変更した修正版を使用した。修正は、フォントサイズは12から24ptとする、フォントは一般的に用いられることの多い明朝体またはゴシック体を使用する、文字間・行間の最適化する、用紙は1文書につきA4用紙1枚とする(めくる動作の影響を避けるため)、使用頻度の低い漢字、構造上読み間違いにつながりやすい漢字等は使用しない、簡潔な1文とし、1文に含まれる情報を少なくするということを基本とした。文書は全2種類、どちらも対象者が日常生活上で目にする機会のある文書であった。さらに、インタビューによって「読みにくいと感じるのはどのようなところか」等の質問を行った。 その結果、認知症高齢者は文書を読む際に逆行が増加する可能性が示された。特に、認知症中等度の対象者では、軽度の対象者と比較して短距離の逆行を増加させやすい傾向があること、平均注視時間が短くなる傾向があった。これらのことから、認知症の重症度に応じた支援を検討していく重要性が示唆された。 認知症高齢者にとっての文書の読みやすさを改善するには、提示する情報量を限定することやサッケードが安定するような漢字の配置といった文書の工夫が重要であるといえる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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