2018 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮の回復促進に最良の負荷運動刺激を探る-高精度刺激評価装置による網羅的検証-
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18H03131
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (10093428)
紀 瑞成 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (60305034)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 理学療法 / 筋萎縮 / マウス / リンパ管 / 筋力トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの我々の研究で、健常者へのトレーニングのエビデンスは筋萎縮に対して通用しないことを示唆する結果を得ている。また、筋萎縮時に起こる筋浮腫に関連深いと考えられる筋中の循環系、特にリンパ管系の病態やその理学療法応答の情報は皆無である。そこで本研究の目的は、新たに開発するマウス用力学刺激・評価装置により、萎縮した筋に与える負荷の強度・頻度・インターバル等を高精度でコントロールし、筋萎縮の回復促進のための効果的な負荷運動刺激法やそのメカニズムを明らかにする。研究初年度である昨年度は、マウス骨格筋用力学刺激・評価装置の作製と検証を行った。マウス骨格筋の最大トルクが約10 mNmであり、再現性のある定量的な測定が可能なことを確認した。マウス(C57BL/6J)の萎縮筋に対して、等尺性の繰り返し収縮運動刺激(5秒収縮5秒弛緩)を、収縮の強度は最大筋力の40%~60%で実施できることも確認できた。これまで培養細胞での実験で判明した萎縮した筋に対する負荷運動刺激終了後に起こる蛋白質合成・分解の分子機構に関して個体レベルでも同様の現象が起こることも確認した。一方、リンパ管をLYVE-1の免疫染色により、また毛細血管をCD31の免疫染色により同定し、筋萎縮と筋内リンパ管、筋萎縮と毛細血管の分布の関係を検証した。その結果、筋萎縮に伴いリンパ管、毛細血管ともに減少するが、リンパ管の減少は毛細血管に比べて遅い時期に起こることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス骨格筋用力学刺激・評価装置の作製と検証が予定通り終了し、マウス骨格筋の最大トルクが約10 mNmであり、再現性のある定量的な測定が可能なことが確認できた。また、マウスの萎縮筋に対して、等尺性の繰り返し収縮運動刺激を一定量の就職強度でで実施できることも確認できた。また、リンパ管をLYVE-1の免疫染色により、また毛細血管をCD31の免疫染色により同定し、筋萎縮と筋内リンパ管、筋萎縮と毛細血管の分布の関係を検証し、筋萎縮に伴うもう債権間の現象とは異なるリンパ管減少の特性が判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
萎縮筋の回復促進に対して効果的な刺激方法の検証の中で、特に最適な負荷量やインターバルについて検証する実験に十分な時間を充てる。また、30年度に判明した筋萎縮による筋内リンパ管係分布の変化に関して、そのメカニズムを生化学的に明らかにする実験に十分な時間を充てる。
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Research Products
(9 results)