2018 Fiscal Year Annual Research Report
サルコペニアの早期発見バイオマーカーの探索と新しいトレーニング評価技術の確立
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18H03164
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
山田 陽介 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所, 研究員 (60550118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 重之 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (40401070)
近藤 衣美 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 契約研究員 (50515707)
川上 泰雄 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60234027)
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60240355)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | sarcopenia / サルコペニア / 老化 / 骨格筋 / 生体電気インピーダンス / 分光法 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、主に部位別多周波生体電気インピーダンス分光法(S-BIS)を用いて、サルコペニアの早期発見バイオマーカーの探索を行うことを第一の目的として実施するものである。先行研究では、高齢者の骨格筋のトレーナビリティを二重X線エネルギー吸収法(DXA)や人体計測法を用いて検査すると、若齢者よりも筋肥大のタイミングが遅いという報告が散見される。しかしながら、高齢者においては、その骨格筋組織中の組成において、若齢者には見られない特徴を有しており、トレーニングによってその組成も変化する。S-BIS法によって得られる電気情報は、体肢においては主に骨格筋内の電気特性を反映している。つまり、S-BIS法を用いて骨格筋組織内部の情報を得ることで、従来の方法では評価が難しかった微細な筋肥大シグナルを評価することができるようになると考えられる。骨格筋内組成の変化について、感度の高い計測技術の確立は、新しいトレーニング評価技術につながると予想される。今年度は、実際に高齢者の筋内組成が加齢に伴ってどのように変化するかについて調査を行った。その結果、いくつかのS-BISパラメータが加齢と関連していることが明らかになり、また筋力との関連についても明らかになった。実際に、研究結果を複数の原著論文として発表することができた。さらに、英文書籍の1章にてこれまでの知見をまとめることができた。また、海外共同研究機関においてもその研究成果を発表することが出来た。これらの一連の研究により、従来の方法と比較した場合のS-BIS法の優位性についても明らかになってきた。翌年度以降、さらに規模を拡大してデータを得ることで、サルコペニアの早期シグナルを見つけること、および、そのパラメータに対する有効なトレーニングについて検討することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いくつかの研究成果について、論文として発表することができ、さらに来年度以降の予定についても順調に計画されている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究は、研究分担機関における研究も含め、おおむね順調に推移していると考えられる。翌年度以降については、核磁気共鳴画像法(MRI)との比較研究を若齢者・高齢者で大規模に実施する予定であり、その準備を少しずつ進めている。さらに、安定同位体トレーサー技術を用いた方法との比較研究についても、海外共同研究機関における研究成果が出てきており、それについても、翌年度以降、新たに進めていく予定にしている。
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Research Products
(6 results)