2018 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングと現地観測による永久凍土融解過程と速度の定量化
Project/Area Number |
18H03353
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩花 剛 北海道大学, 北極域研究センター, 海外研究員 (70431327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 隆博 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 研究開発員 (90809287)
内田 昌男 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (50344289)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 永久凍土 / サーモカルスト / マイクロ波 / リモートセンシング / InSAR / 地表面変位 / 沈下 / 測量 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、対象とした永久凍土エリアのうち、東シベリア・マイヤ地区、アラスカ・ノーススロープにおいてInSAR解析および現地調査を実施した。大雪山系の対象地においては、これまでの微気象現地調査を継続した。 東シベリア・マイヤは居住地全体が高含氷率永久凍土上に存立し、サーモカルストの影響を受ける地域である。対象地では地表面変位の時空間的変化をマイクロ波リモートセンシング(InSAR解析)とフィールド測量によって測定し、サーモカルスト沈下と季節的地表面変位の空間分布率の把握を試みた。InSAR解析の結果を検証するために、約35測量点を含む30 x 30mの5つのプロットにおいて2018年の9月下旬から10月初旬に比高測量を実施した。 この他、アラスカのノーススロープにおいても永久凍土および季節凍土の融解による地表面変位量をInSAR解析により測定した。対象地は、ダルトンハイウェイ沿いの3サイト、およびAnaktuvuk森林火災跡地内の8サイトである。これらの測定値を検証するための現地測量を実施し、リモートセンシングデータ解析結果と比較検証を実施する予定である。 大雪山系における山岳永久凍土帯に定めた調査地では、地中の熱・水動態を含めた微気象の長期観測システムのメンテナンスを行い、今後のモニタリング継続の準備を行った。山頂部における風衝地のモニタリングサイトには、先行研究による微気象観測システムが構築されているが、激しい気象条件によって設置済みの測定器類の破損が見られた。本研究期間における検証データの取得のため、これらの修復作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
衛星画像解析および、現地検証調査は予定通りに実施することができた。一方、大雪山系では、テレメトリーシステムの構築を予定していたが、天候等が原因で運用開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究2年目の2019年度は、東シベリア・マイヤおよびバタガイ、アラスカ・フェアバンクス、大雪山系における現地検証観測を継続し、2019年中に取得される予定のSAR画像を用いたInSAR解析を追加する。大雪山系の調査地においては、テレメトリーシステムの構築を完了させる。東シベリア・マイヤにおける現地調査結果とInSAR解析結果について論文にまとめることを予定している。
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