2019 Fiscal Year Annual Research Report
北東インド洋海域における大気窒素化合物沈着の海洋表層生態系への寄与解明
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18H03369
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
竹谷 文一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (50377785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 技術研究員 (50359155)
相田 真希 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), グループリーダー代理 (90463091)
岩本 洋子 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (60599645)
山地 一代 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (40399580)
関谷 高志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地地球環境部門(地球表層システム研究センター), 技術研究員 (00781460)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大気海洋物質循環 / 窒素化合物 / 沈着 / 海洋生態系 / 洋上観測 / 数値モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年11月行われたインド洋研究航海で取得した大気成分分析、海洋表層の基礎生産の測定分析結果の詳細分析を行った。ベンガル湾上から赤道付近までの北半球洋上の窒素化合物濃度が高く、赤道以南の南半球海洋上の濃度が低いことが示された。後方流跡線解析にから、北半球洋上では大陸からの長距離輸送による気塊、南半球洋上では海洋性の気塊の影響を受けている可能性が示された。また、観測した窒素化合物濃度から乾性沈着フラックスを推定し、その結果、本航海で観測された窒素化合物の乾性沈着フラックスはこれまでに報告されてきた西部北太平洋上での結果に匹敵することが示された。また、雨水中の窒素化合物の成分分析から湿性沈着フラックスを推定し、両者の比較を実施した。また、同時に測定された海洋表層での基礎生産力と大気からの窒素化合物の沈着量の比較を実施し、北半球では乾性沈着が現場の表層の基礎生産力を高めている可能性が高いとの結果が得られた。一方、大気からの金属成分の供給と基礎生産力の比較も実施した結果、瞬間的には大気からの銅などの阻害物質の沈着が基礎生産力の低下に影響を及ぼす可能性も示唆された。 数値モデル計算では、大気化学輸送(全球および領域)モデルの改良・更新(海洋からの大気微量成分の放出などを追加)を実施し、研究航海で得られた大気観測データと比較した。海洋生態系モデルも最新のデータを組み込んだ計算を実施し、その検証を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大気および海洋の観測データから、大気からの海洋表層の基礎生産力の影響評価を実施でき、加えて、大気物質の起源などの推定も実施たため。また、数値モデル計算との比較も実施し、当該海域でのカップリング実験の準備も完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
観測データの分析を終了し、観測データのとりまとめを行うと同時に、数値モデル計算による大気からの影響評価を実施し、観測・数値計算の両面からベンガル湾での大気からの物質沈着による評価を行う。
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Research Products
(11 results)