2018 Fiscal Year Annual Research Report
新しい草原再生の指針の構築：生態系成立基盤である土壌化学性に立脚して
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18H03415
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| Research Institution | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
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Principal Investigator |
横川 昌史 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 学芸員 (30649794)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 道生 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (70373248)
平舘 俊太郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (60354099)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 半自然草原 / 草原再生 / 土壌化学性 / 発芽 / 野外操作実験 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に岡山県の蒜山地域において、過去の強い土壌改変を受けた草原とそこに隣接する植物の種数が多い半自然草原において、植生と土壌化学性の比較を行った。その結果、土壌改変を受けた草原で種数が大幅に減少する調査地もあれば、違いは明瞭でない調査地もあった。これらの調査地では土壌酸度が異なっており、過去の土地利用履歴やそもそもの立地などをよく検討し、その違いの評価を行う必要があると考えられた。計画の段階では阿蘇くじゅう地域でも同様の調査を行う予定であったが、現地の研究協力者との調整の過程で、予定していた調査や実験が困難であることが判明したため、調査地から除外した。新たな調査地として、筑後川水系の堤防法面の草原で調査を行い、外来植物のセイバンモロコシと土壌化学性の関係について研究を進めた。そのほかにも良い調査地となる場所について各地の草原の情報収集を行い、状況を整理した。なお、土壌の化学分析については予定通りに進まなかったため、研究費の繰越申請を行った上で分析を進めた。
調査が順調に進んでいる蒜山地域でのさらなる調査を念頭において、草原性植物の発芽生態について既存の研究データの収集を行った。並行して、蒜山地域で発芽試験、播種試験用の種子の採集を行い41種の草原に関連する植物の種子を収集した。実際に採集できた種子の状態と既存の研究のデータから、次年度の播種試験等に使える植物種の選定を行った。
野外操作実験が可能な調査地についても現地検討を行った結果、植生や土壌だけでなく、現地の様々な実験の実施ができるかどうか条件において当初予定していた阿蘇くじゅう地域よりも蒜山地域の方が調査に適していると判断し、その準備を進めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野外調査については順調に進んだが、土壌化学性の分析が予定よりも遅れてしまった。その理由としては、外注による分析を考えていたが、業者側の都合で納期が大幅に遅れてしまい、年度内の完了が難しくなってしまった。そのため、野外調査や種子に関する調査は進めながら、研究費の繰越申請を行った上で、土壌化学性との比較は次年度に持ち越すことになった。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究でフィールドにしている半自然草原は、多くの場所で現在も地元の方による利用があるため、調査や実験を行う上で様々な協議が必要となり、その中で予定していた調査が困難になることがある。本研究のメインの目的を達するには、数年かけた継続調査が必要であり、そのため、調査地の選定は慎重に行う必要がある。今年度もすでに様々な協議を実施してきたが、今後もそのような協議を継続し、調査地や内容の変更を柔軟に行っていく予定である。そのため、当初予定していた場所以外にも、様々な草原の情報や資料にあたり、予備的な調査等を行っていく必要がある。
野外操作実験区については、野外での下見を行い、地元の研究者と協議を進める中で、イノシシ等によって調査区が破壊される可能性が考えらえた。そのため、次年度設置予定の野外操作実験区にはイノシシ除けの電気柵などを設置できるかどうかも実験区の選定基準に入れていくことにする。
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