2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of information provision program for food-loss-derived-feed leading to sustainable consumption and production
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18H03430
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
栗島 英明 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (80392611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 竜男 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40592077)
大森 玲子 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (70447259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食品ロス / 飼料化 / 情報提供プログラム / 持続可能な開発のための教育 / 食品リサイクル / 食育 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)発信すべき情報の抽出と普及阻害メカニズムの明確化を目的として、ステークホルダー意識調査・分析を行った。食品ロス排出業者1ヵ所、流通業者1ヵ所には、食品ロスの現状とその対策および飼料化へのイメージなど、畜産農家2ヵ所には、食品ロス飼料の導入の経緯など、飼料化業者1ヵ所には食品ロスの搬入状況や飼料化の課題などに関するインタビュー調査を行った。消費者には、食品ロス排出につながる消費行動に関する意識と行動改善の可能性に関するwebアンケート調査(全国1,000人規模)を実施した。 (2)飼料化から畜産物販売までを対象とした畜産システムの環境面の定量的評価として、食品廃棄物のリサイクル方法の中でも代表的な技術である飼料化処理、堆肥化処理を取り上げて、慣行処理である焼却処理との比較LCAを行った。 (3)食品ロス飼料化に関する情報提供プログラムの試行として、大学生・大学院生を対象とした卸売市場および食品ロス飼料化工場の見学会を実施し、その効果を検証した。現地見学は問題を意識化できる点で有効であること、個人の行動変容に繋がる可能性があること等の効果が見出された。また、次年度のプログラム実施に備え、国内外の教材資料の収集を進めた。国外では2016年9月に食品廃棄禁止法が成立したイタリアにおいて生産者、流通者、消費者へのヒアリング調査を実施し、資料として整理した。 (4)経済学、心理学、教育学等の文献調査を進めて、情報提供プログラムの効果測定方法を検討した。 (5)研究成果を国際学会・国内学会・紀要等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)ステークホルダー意識調査・分析:ステークホルダーへのインタビュー調査は当初予定していた件数より若干少ないが、消費者アンケート調査は予定通り実施できた。発信すべき情報の抽出と普及阻害メカニズムの明確化に向けた情報は蓄積されてきており、一部の成果は国内学会で報告した。 (2)食品ロス飼料化システムの定量的・定性的評価:既存データの整理と一部事業者への聞き取り調査をもとに、食品廃棄物の飼料化に伴う温室効果ガス排出量を評価できた。また、食品廃棄物の焼却処理や堆肥化処理の評価を再整理したことで、食品廃棄物のリサイクルを環境面から比較することができた。 (3)情報提供プログラムの開発と実施:試作プログラムの本格試行は次年度以降の予定であったが、情報提供プログラムの題材収集も兼ねて大学生・大学院生の卸売市場・飼料化工場の見学会が実施できた。また、次年度のプログラム実施に備え、更なる教材資料の収集を進めることができた。 (4)情報提供プログラムの効果分析:文献調査を進め、情報提供プログラムの効果測定方法を検討したが、まだ十分整理には至っていない。次年度以降の試作版実施と併せて、測定方法の開発を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ステークホルダー意識調査・分析:さらなる情報収集を目的として、ステークホルダーへのインタビュー調査を増やす。食品ロスや飼料化関連のシンポジウム等に参加し、調査への協力を要請する。消費者へのアンケート調査は、情報提供プログラムの試作版を踏まえて調査項目を設定する。 (2)食品ロス飼料化システムの定量的・定性的評価:食品廃棄物由来飼料の製造、利用および畜産物の販売に携わる各種事業者への聞き取り調査を行い、各ステークホルダーの現状を把握するとともに費用面の評価を実施する。また、社会面については(1)を踏まえて、企業・製品イメージやQOL、安心・安全などを検討する。 (3)情報提供プログラムの開発と実施:当初の研究計画で想定することのできなかった食品ロスの季節性について、研究遂行の中で見出すことができたため、特に食品ロスが増える夏季に、前年度実施した食品卸売市場への見学会を実施する。また、引き続き、プログラムで利活用する教材資料の収集を実施する。 (4)情報提供プログラムの効果分析:情報提供プログラムの試作版を対象として、実施前後の意識・行動変化をアンケート調査等で確認する。
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