2018 Fiscal Year Annual Research Report
テレコピーロボットにおける群挙動の安定化制御と世界規模の実証実験
Project/Area Number |
18H03763
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
三好 孝典 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10345952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10422809)
上 泰 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (20413809)
石橋 豊 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40252308)
小山 慎哉 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (50435385)
上木 諭 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50467213)
兼重 明宏 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70224615)
田崎 良佑 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70644467)
大場 譲 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (80455104)
河合 康典 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (90413765)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遠隔制御 / 群ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
マスターである人間の運動や力覚を遠隔地において忠実に再現するロボットをテレコピーロボットと定義する.本研究では,インターネットなどの通信遅延を有する環境において,テレコピーロボットによって自分自身があたかも遠隔地で運動しているかのような,あるいは遠隔地に存在する他人があたかも目前で運動しているかのようなシステムを構築するとともに,そこで生じる力と運動の相互作用「力学的ハウリング」の発振の問題と解決理論を明らかにする.さらに,国際間の遠隔制御実験を通じて解決理論の妥当性を検証するとともに,テレコピーロボットを具現化する.当該理論は,近未来において力覚・運動などの身体拡張ロボティクスをインターネットを介して実装させる際に,必ず必要になる理論・技術である. 初年度であるH30年度は,まずテレコピーロボットを製作することを行い,台座部分に3輪のオムニホイールとモータを有する3自由度(x,y,θ)小型ロボットを試作した.ロボットの大きさは直径200mm程度に留め,来年度に数台程度を量産できるよう,1台あたりのコストを極力抑えた.一方,マスター(人間)の代替として,全方向移動が受動的に可能なフリーローラー機構も製作した.加えて,コピーロボットの運動の計測が可能な,廉価な計測システムも構築した. さらに,3か所以上の遠隔地でマスターとコピーが力学的ハウリングを抑制し,かつトランスペアレンシーを実現する制御アルゴリズムの理論構築を図った.現在,それぞれのロボットから干渉力・加速度・速度・位置情報を送受信し合う4ch遠隔制御の手法を発展させた理論構築を行っており,安定性の保証をHinfノルムの見地から検討しているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度は,当初計画していた特任助教の採用が実現できず,また,研究代表者の大学の異動という期初の計画にない状況が続いたが,人件費を外注費に変更するなど予算配分を適切に対応することにより,当初目的であった1.全方向移動コピーロボットの試作,2.マスターの代替となる受動的全方向ロボットの試作,3.廉価なロボットの位置・姿勢計測システムの構築,4.4ch遠隔制御手法の安定化証明の研究,を計画通り進めることができた.以上のことから「(2)おおむね順調に進展している」と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
R1年度は,以下の方針で研究を遂行していく予定である. 1.テレコピーロボット・マスター機の量産:今年度試作を行ったテレコピーロボットの性能評価を行い,制御性能が遠隔実験に対応できるものとの判断を得れば計6台を,また,マスターの代替となるフリーローラ機も3台を,共同研究者の元で製作してもらう.3ヶ所の遠隔地でテレコピーロボットの実験を行うためには,コピーロボットが各所で2台づつ,マスタが1台づつ必要なためである. 2.コピーロボットの位置計測システムの量産:これも今年度試作したものの性能評価を行い,遠隔実験に対応できるものとの判断を得れば,3ヶ所の遠隔地分,準備を行う. 3.安定化制御アルゴリズムの構築:3か所以上の遠隔地でマスターとコピーが力学的ハウリングを抑制し,かつトランスペアレンシーを実現する制御アルゴリズムの理論構築を継続して行う.それぞれのロボットから干渉力・加速度・速度・位置情報を送受信し合う4ch遠隔制御をベースに,受動性やHinfノルムの観点から安定性の証明を行っていく予定である. 別途,本研究を専任で遂行する特任研究員の確保の努力もH30年度同様,継続していくとともに,R2年度からの遠隔実験に向けて各共同研究者と実験準備・協力体制を深めていく予定である.
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Research Products
(36 results)