2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Glocal Supply and Remanufacturing Chain with Carbon Tax and Economic Partnership
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18H03824
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| Research Institution | The University of Electro-Communications |
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Principal Investigator |
山田 哲男 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90334581)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 全人 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (60365468)
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
長沢 敬祐 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (50758159)
石垣 綾 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 教授 (50328564)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | リユース・リサイクル / 温室効果ガス削減 / グローバルサプライチェーン / グローカル製品設計 / CSR経営 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、学会からの依頼で解説論文2件、インパクトファクターを有する国際共著など査読付き論文11件や、日米の研究者・学生とオーガナイズドセッション5件などで研究成果を発表した。
① 仕分け・分解・再組立のグローカル製品設計 モジュール化の粒度が異なる複数の製品アーキテクチャの候補が存在する場合に、品質、コスト、リードタイム、環境負荷の観点から総合的に評価する指標を提案し、その計算を可能とする設計支援システムを開発した。また、目標ベクトル法を用いて、廃棄重量とコストを満足化する製品設計の材料選択法を提案した。
② 炭素税と関税のグローバルサプライチェーン設計 フォワード型は、材料製造時GHG排出量の炭素税と環太平洋パートナーシップ協定の関税低減を同時に考慮するモデルを開発した。また循環型は、モデルに企業の社会的責任（CSR）を取り入れ、施設建設や施設間での再製造物流が、環境、社会や利益へ与える影響を分析した。
③ 再製造サプライチェーンのモデル化 使用済み製品の回収量の不確実性を考慮した製造・再製造システムのシミュレーションモデルを設計し、ダイナミック環境下における回収量の時間変化が生産設備の安定性・コスト・環境要因に及ぼす影響を調査した。また、再生率と利益を考慮した再製造部品選択法を提案し、使用済み製品内のどの部品を製品組込リユースにすべきかを明らかにした。
④ 企業CSR経営（環境会計）のモデル化 サーキュラーエコノミーの枠組みが普及することでリサイクルプロセスにどのようなアップデートが求められるのか、またこれらの状況が、サーキュラーエコノミーに関連するESG投資の動向とどのように関連しているのかについて調査した。さらに、テキストマイニングによるCSRマネジメントの分析アプローチを提案し、各企業のCSR報告書から、企業ごとや年度ごとに見られるCSR活動の特徴や傾向を分析した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は新型コロナウィルスにより、対面での研究打合せのみならず、国内外の会議参加や現地調査が阻まれた。しかし、遠隔での月例打合せの継続や国内外会議でのオーガナイズドセッションの企画、研究支援員や技術支援員の協力などによって、研究者や学生とのディスカッション、情報共有や高いモチベーションを維持して、研究を遂行できたため。
具体的な研究発表成果としては、学会からの依頼によりこれまでの研究成果をまとめた解説論文2件、国際共著4件、当該分野第4位の高インパクトファクター値を含む雑誌論文12件を著した。また、国際会議10件と国内会議12件の学会発表を行った。さらに、本研究で海外発表を行った卒研生が、公益社団法人日本経営工学会優秀学生賞を受賞した。
オーガナイズドセッションについては、国内外で企画して研究者と学生による研究チームを組織した。日本設備管理学会の春季研究発表大会では「CSR・環境サプライチェーン」、秋季研究発表大会では「コロナ時代とサステナブル生産・エネルギー」と題し、企業の社会的責任とサプライチェーンに加え、人とロボットの生産システムや再生可能エネルギーまで、サプライチェーン経営に関わるサステナビリティの課題を明らかにするとともに、複数の解決策を提案できた。米国国内会議Northeast Decision Sciences Institute 50th Annual Conferenceでは、Northeastern Universityと共同で「Future SCM Scholars I, II, III」と名付けられた3つのセッションにおいて、9件の研究発表を行った。このコラボレーションにより、超長期的かつ国際的な地球環境問題の解決に不可欠な20～30代の若手研究者と学生達の米国・中国・韓国・日本間の研究交流を、オンラインにより実施できた。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は、台湾の国際会議でサステナビリティのオーガナイズドセッションを企画するとともに、以下のテーマで研究を推進する。
① 仕分け・分解・再組立のグローカル製品設計 再組立を含む製品の多世代使用を考慮し、環境性、経済性、不満度、信頼性の観点を同時に評価することで、ユーザの持続的な使用について評価する指標を提案する。具体的には、複数の製品アーキテクチャや更新サイクル候補、更新部品候補を含む更新計画候補が存在した場合について比較を行う。また、使用済み製品の分解部品選択について、材料製造やリサイクルを行う国が韓国と日本で異なる場合について比較を行う。
② 炭素税と関税のグローバルサプライチェーン設計 COVID-19によるサプライヤー途絶時に、環太平洋パートナーシップ協定による関税変化を考慮したグローバル・サプライチェーンネットワークで、コストとCO2排出量の評価を同時に行う。また、国ごとに異なる調達費用や製造時のCO2排出量を持つ循環型サプライチェーンネットワークについても、モデル開発を行う。
③ 再製造サプライチェーンのモデル化 使用済み製品の回収から製造・再製造まで、生産・再製造システムの利益について、海外へも輸出・販売する国際分業モデルと国内モデルを比較する。さらに、SDGsなどを参考にCSRを考慮した循環型サプライチェーン設計のモデル化を行い、単一期間や複数期間のモデルが環境、社会や利益へ与える影響を分析する。
④ 企業CSR経営（環境会計）のモデル化 サーキュラーエコノミーの枠組みにおいて、組織間関係を通じて資源生産性をマネジメントするマテリアルフローコスト会計により、リサイクルプロセスの効果を検証する。さらに、製造企業が自社アカウントを用いたツイッターによるマーケティング活動において、何の情報をどの言葉でどのように情報発信すれば良いかについて、テキストマイニングを用いた分析を行う。
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| Remarks |
受賞： 本研究で海外発表を行った卒研生が、公益社団法人日本経営工学会優秀学生賞を受賞した。
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