2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evidence-supported Rural Community-based Tourism and Social Impact
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18H03965
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大江 靖雄 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (60302535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 恵里 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (20728258)
宮崎 良文 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 特任研究員 (40126256)
霜浦 森平 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (40372354)
矢野 佑樹 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 講師 (40618485)
小口 孝司 立教大学, 現代心理学部, 教授 (70221851)
西山 未真 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70323392)
齋藤 勝宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80225698)
栗原 伸一 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (80292671)
宋 チョロン 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 特任助教 (90768714)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コミュニティ・ベース / 農村ツーリズム / 農業の多面的機能 / アグリツーリズム / アントレプレナーシップ / 効率性 / 酪農教育ファーム / ジビエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に達成した主要な成果の概要は、以下のとおりである。 1.我が国の農村ツーリズムの展開上の課題を持続性の3つの観点から考察した結果、先行するイタリア・アグリツーリズムと比較すると、経済性の点で大きく劣ることを明らかにした。今後、コミュニティ・ベースな我が国の農村政策の伝統を踏まえて、社会性と経済性の両立を図る農村アントレプレナーシップの育成を図る必要があることを指摘した。 2.我が国農村ツーリズムの20年以上にわたるミクロ経済学の理論フレームワークの構築と計量的実証分析の成果を体系的に取りまとめて、この分野の研究成果としては世界で初めて英文の刊行書として発刊した。本書の刊行で我が国の農村ツーリズム研究の前進とその成果を国際的に公表することで、農村ツーリズムの経済学的研究分野をリードすることに貢献できる。 3.我が国の農業の多面的機能の一つである教育機能を具体的な活動としている、酪農教育ファームの20年間の展開を総括して、オープンなネットワーク組織で酪農家同士がつながり、相互の経験を共有して、課題の克服と進むべ気経営革新の理念を形成してきた点に、独自性と自立性があることを明確にした。特に、海外での経営管理に関する研修や女性などがこうした指向性の高いことを指摘した。 4.これまで分析がなされていない道の駅の効率性について、群馬県を対象として、DEA(データ包絡分析)モデルによりその経営効率性を評価した。その結果、運営の経験年ではなく、若年子育て世代の利用を意識した施設やサービスを有する施設の効率性が高いことが判明した。 5.未活用な農村資源として、また獣害対策の一つとしてもその活用が期待されるジビエの活用促進のため、これまで分析されていないジビエ料理を提供する首都圏の飲食店のジビエ料理価格に関する決定要因分析を行った。その結果、大衆化と高級化の二つの流れがあることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進捗しており、今後とも研究推進に努めることとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度より代表者の研究機関は東京農大に変更となり、そちらでの研究体制の整備を図ることとしている。研究課題の推進上の懸念としては、世界的な流行を見せている新型コロナウイルスの終息がいつになるかという点である。現状では、海外はおろか国内の調査も行える状況にないため、その流行が長期化すると、研究推進に影響がでることも予想される。
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