2018 Fiscal Year Annual Research Report
New development of genome editing technologies and disease models
Project/Area Number |
18H03974
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真下 知士 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80397554)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 一人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50709813)
鈴木 啓一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70433654)
中田 慎一郎 大阪大学, 医学系研究科, 特命教授 (70548528)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ゲノム編集 / CRISPR/Cas / 培養細胞 / マウス受精卵 / オフターゲット |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR-Cas9を利用することで培養細胞やモデル動物において効率的に遺伝子改変ができるようになったが、未だオフターゲット変異などの安全性や特許紛争などの課題がある。本研究では、新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いることで、哺乳動物培養細胞および実験動物受精卵での効率的なゲノム編集法を確立することが目的である。さらに、このゲノム編集技術CRISPR-Cas3によるDNA切断、およびDNA修復メカニズムを解明することで、ゲノム編集の効率化およびオフターゲット変異の評価等を行う。最後に、確立した新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を利用して、血友病および筋ジストロフィーのex vivo治療、in vivo治療モデルを開発する。本研究により、新しいヒト疾患モデル動物の開発、および新たなゲノム編集治療における革新的基盤技術の開発を目指している。 これまでの研究成果は、論文として取りまとめて投稿している。関連する研究内容を査読付き英文論文5編、国内図書4編に取りまとめた。CRISPR-Cas3によるヒト細胞、ヒトiPS細胞におけるゲノム編集、遺伝子治療応用に関する成果を論文にまとめて、Nature Communications誌に投稿した。その他、国際1回、国内19回の招待講演を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3による哺乳動物細胞および受精卵におけるゲノム編集法の確立、およびゲノム編集動物の作製、治療モデルの開発を目的として、以下の研究を実施した。 ①新規ゲノム編集システムタンパク質によるDNA切断:CRISPR-Ca3システムを発現する大腸菌から、Cascade(Cas5, Cas6, Cas7, Cas8, Cas11およびcrRNA)およびCas3タンパク質を精製して、試験管内でのDNA切断を確認することに成功した。標的配列およびPAM配列特異的に二本鎖DNAを切断することが確認された。 ②ヒト培養細胞におけるin vitro ゲノム編集:ヒトHEK細胞、ヒトiPS細胞において、CRISPR-Cas3による標的特異的二本鎖DNA切断に成功した。Cas3により標的配列から上流に数百~数キロ塩基の大規模な欠失変異が起こることを明らかにした。またin silico, in vitroでのオフターゲット解析において、Cas9よりもCas3の方がオフターゲット変異が少ないより安全なゲノム編集ができる可能性が示唆された。さらにCas3により一塩基置換や薬剤耐性遺伝子のノックインにも成功した。 ③新規CRISPR/Casシステムによるゲノム編集メカニズムの解明:CRISPR/CasシステムによるDNA二本鎖切断およびDNA修復メカニズムを解明するために、精製タンパク質を用いて標識二本鎖DNA切断部位の確認等を行った。またChIP-seq、RNA-seqによるによるDNA修復因子の検索を行っている。さらにコンピューターによるcrRNAデザイン、オフターゲット検索プログラムを開発した。CRISPR/Cas9と比較しながら全ゲノムシークエンスによるオフターゲット解析を実施する。 以上のことから、平成30年度開始当初の研究計画に一部の変更はあったものの、おおむね順調に進展していると自己評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
CRISPR-Cas3による哺乳動物細胞および受精卵におけるゲノム編集法の確立、およびゲノム編集動物の作製、治療モデルの開発を目的として、引き続き、以下の研究を実施する。 ①CRISPR-Cas3タンパク質によるDNA切断:大腸菌から精製したCascade(Cas5, Cas6, Cas7, Cas8, Cas11およびcrRNA)およびCas3タンパク質を利用して、引き続き試験管内でのDNA切断を実施する。さらにCas3改変体、変異体の検討およびタンパク質の精製を実施する。これら精製Cascade、Cas3タンパク質を利用して、ヒト細胞やマウス受精卵でのゲノム編集を検討する。 ②ヒト培養細胞、動物受精卵におけるゲノム編集:大腸菌から精製したCascade(Cas5, Cas6, Cas7, Cas8, Cas11およびcrRNA)およびCas3タンパク質を利用して、マウス・ラット受精卵において、CRISPR-Cas3によるゲノム編集を実現させる。インジェクション条件、濃度、タイミング等の検討を行い、オフターゲット変異解析やゲノム編集効率の向上を目指す。 ③CRISPR-Cas3システムによるゲノム編集メカニズムの解明、オフターゲット評価:引き続き、ChIP-seq、RNA-seqによるによるDNA修復因子の検索を行う。Cas3タンパク質にによるゲノム編集、高速原子力顕微鏡AFMによるDNA二本鎖切断の可視化を行うことで、CRISPR-Cas3によるDNA二本鎖切断およびDNA修復メカニズムを解明する。コンピューター解析、オフターゲット解析、CRISPR-Cas9と比較しながら全ゲノムシークエンスによるオフターゲット解析を実施する。
|
Research Products
(25 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] CLICK: one-step generation of conditional knockout mice2018
Author(s)
Miyasaka Yoshiki、Uno Yoshihiro、Yoshimi Kazuto、Kunihiro Yayoi、Yoshimura Takuji、Tanaka Tomohiro、Ishikubo Harumi、Hiraoka Yuichi、Takemoto Norihiko、Tanaka Takao、Ooguchi Yoshihiro、Skehel Paul、Aida Tomomi、Takeda Junji、Mashimo Tomoji
-
Journal Title
BMC Genomics
Volume: 19
Pages: 318
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-