2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel public health marketing theory for achieving health equity
Project/Area Number |
18H04071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 尚己 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (20345705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 真光 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60523090)
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 健康格差 / マーケティング / 行動科学 / 社会疫学 / ナッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
健康格差の是正に向けて、社会的ストレスや健康行動への意識の違いなど、人々の認知行動特性を踏まえた公衆衛生のマーケティング戦略を構築する。地域およびオンラインでの実験研究により効果を検証する。その結果を踏まえ、健康格差是正に役立てるための新しい「公衆衛生マーケティング」の理論体系を確立する。 理論研究:健康格差対策の実践事例やその効果に関するエビデンスを体系的にレビューし、既存のマーケティング理論との整合性を確認し整理した。 実証研究① 少額のインセンティブによる野菜摂取増加を評価する介入研究を実施し、取組が野菜摂取の社会経済格差是正に資する可能性を明らかにした。成果発表(論文出版)については期間延長して、2019年度内に達成した。 実証研究② スマートフォン利用者に対する身体活動促進アプリでの介入:推定1,855万人いるプロ野球パ・リーグのファンを対象とした無料アプリ「パ・リーグウォーク」による身体活動促進ナッジの効果を検証した。同アプリを使用していない比較対照集団634人に対して歩数調査を行い、アプリ利用によるユーザの1日歩数の変化量をアウトカムとしたDifference-in-differences分析を行った。評価に必要なデータ取集機能をアプリに搭載した。また、具体的な行動継続のナッジ手法を考案した。このように2019年度の実証にむけた準備を進めた。 実証研究③ 高齢者の「集いの場(サロン)」への参加継続を促すしくみづくり:日本老年学的評価研究Japan Gerontological Evaluation Study(JAGES)に参加する40自治体(高齢者約20万人参加)のうち、神戸市・松戸市等において、サロン参加を促す、コミュニティ組織化に基づく取り組みを実施する。本年度は介入デザインと自治体との調整を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は理論研究と各フィールドでの実証の準備を計画しており、予定通り終了した。足立区での実証については、実施した研究のデータ分析結果を取りまとめ、論文として出版した。関連する論文等の業績を出した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の計画は以下の通りである。
理論研究 集団の属性に応じたマーケティング・アプローチの効果について理論的な検討を深める。 実証研究① 東京都足立区において実施した事業検証結果データを追加分析する。ソフトクラスタリング分析を用いて、野菜増量商品を購入した集団の属性分析を行いそれぞれの「ペルソナ像」を同定したのち、各属性を持つ集団がどのような状況で実際に野菜増量商品を買いやすくなるかを検証する。 実証研究② アプリの拡大普及を図る。また、同アプリを使用していない対照集団のデータと比較して、アプリ利用によるユーザの1日歩数の変化量をアウトカムとしたDifference-in-Differences分析を行った結果をまとめる。この検証を通して、どの程度の歩数増加につながるか、また、行動変容がどの程度維持されたかを明らかにする。 実証研究③ 神戸市・松戸市・東海市・長柄町などで実施中のボランティアや事業者による地域の集いの場(サロン等)の参加状況の比較をし、参加者が多いプログラムの特徴からナッジの手がかりの抽出を試みる。単一と複数を組み合わせたプログラムとの比較や、簡易なポイント制度、子どもとの交流企画の有無等で、参加者の増加率や脱落率、一年後の健康指標改善度等の比較を行う。比較する対象は数十の通いの場プログラムに参加する数百人を見込んでいる。2016年に実施したJAGES対象者向けの調査データをベースラインとして、2019・2022年に予定する同調査で介入効果も比較評価する。
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Research Products
(77 results)
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[Book] The Atlas of Health Inequalities in Japan.2019
Author(s)
Tomoki Nakaya, Keisuke Fukui, Yuri Ito, Keiji Yano, Yuzuru Isoda, Naoki Kondo,Kazumasa Hanaoka, Yoshikazu Nishino, Seiki Kanemura, Ryozo Matsuda, Shigeru Inoue, Hiroyuki Kikuchi, Takahiro Tabuchi, Mayuko Yonejima, Tomoya Hanibuchi.
Total Pages
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Publisher
Springer Nature
ISBN
978-3-030-22706-7
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