2019 Fiscal Year Annual Research Report
Origins and ice nucleating abilities of bioaerosols in the marine atmosphere: Links among ecosystems, chemical substances, and clouds explored with fluorescence properties
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18H04143
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
金谷 有剛 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), センター長代理 (60344305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 彰記 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 主任研究員 (00419144)
宮川 拓真 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 研究員 (30707568)
松本 和彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 技術研究員 (50359155)
竹谷 文一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (50377785)
當房 豊 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (60572766)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 海洋大気物質循環 / 気候変動 / 地球環境物質科学 / 有機エアロゾル / 起源 |
Outline of Annual Research Achievements |
大気中の蛍光性バイオエアロゾルや氷晶核、海水・大気中のDNA染色蛍光性粒子や海洋生態系に由来する物質の分析手法の開発を継続した。海洋物質ではTEP, CSPを定量するとともに、溶存有機態のEPSについても分析手法を開発した。昨年度実施した予備航海や過去の航海で得られた試料分析やデータ解析を進めた。MR18-06Leg4航海(タヒチ~清水)では、熱帯域の海洋性気塊と北半球中緯度の陸域の影響を受けた気塊とで、オンライン機器で測定されたエアロゾル粒子の蛍光特性が異なることを見出し、サイズ別にも詳細な解析を行った。また、より信頼度の高いオフライン型染色蛍光法とサイズ範囲を合わせて比較し、オンライン機器での自家蛍光特性に基づくバイオエアロゾル判定法を評価した。同航海でのデータを用いて、TEP/CSPの生成に及ぼす栄養塩等の海洋条件を検討し、海水・大気中のバイオ粒子の増減との対応関係を解析した。海洋大気中の蛍光性バイオエアロゾル粒子と氷晶核生成能の関係性を解析し、既報での評価方法を吟味した。南大洋・北極海での過去の航海観測結果を用いて、有機エアロゾル量などについて大気化学輸送モデルの評価や改良を進めるとともに、氷晶核濃度推定や雲放射インパクトを評価するための方法を検討した。海洋地球研究船「みらい」の北極航海MR19-05Cにて、エアロゾルと氷晶核、海洋生態系因子、各種トレーサ―物質を総合的に計測し、解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析手法については、海洋物質に関して当初予定以外の項目についても確立できた。昨年度および当該年度の航海で、熱帯から北極海にわたる広い範囲でサンプルやデータを取得することができた。また、サイズ区分を揃えた観測手法間の比較評価や、海洋物質・大気物質・氷晶核の間の相互関係の解析を進展させることができた。数値モデルにおいても有機エアロゾルや氷晶核の表現の改善について進展がみられた。以上のことから進捗状況は概ね良好と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
追加分析を除き、野外観測については当該年度までとし、総合的な観測データのとりまとめに移る。多角的な分析検討を通じ、現時点で最適な、海洋大気バイオ粒子発生量と氷晶核数に関する予測式を構築する。大気化学輸送モデルにおけるそれらの高度な表現を通じ、雲・放射特性や物質循環へのバイオ粒子の重要性評価を行う点を重点化する。引き続き、研究者間の意思疎通向上やデータ相互流通を推進する。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] 北方圏の温暖化と森林火災:大気組成変動と地球表層システム変化2019
Author(s)
Yugo Kanaya, Oleg Postylyakov, Alexander Borovsky, Anatoly Dzhola, Evgeny Grechko, Takuma Miyakawa, Petr Mordovskoi, Trofim Maximov, Fumikazu Taketani, Hideki Kobayashi, Yongwon Kim, Chunmao Zhu, Yutaka Tobo
Organizer
iLEAPS/IGAC-Japan 合同研究集会2019
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