2021 Fiscal Year Annual Research Report
Nuclear Emulsion - New deployments for fundamental and interdisciplinary researches in the 21st century-
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18H05210
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (90183889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任講師 (20377964)
中野 敏行 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (50345849)
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Project Period (FY) |
2018-04-23 – 2023-03-31
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Keywords | 原子核乾板 / ミューオンラジオグラフィー / タウニュートリノ / 宇宙の暗黒物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、年間10000 ㎡の乾板の供給・解析体制の確立を目指している。軸となる装置は、2010年に研究室に設置した原子核乳剤製造装置の30倍の能力を持つ乳剤製造装置(以下30倍製造装置)、大面積の塗布を効率良く行う自動塗布装置(以下RtR(Roll to Roll)塗布装置)と現在運用中の原子核乾板読取装置の約10倍の読取能力を持つ読取装置(以下HTS(Hyper Track Selector)Ⅲ)である。2021年度関係予算では、このうち原子核乾板読み取り装置HTS3に関しての開発研究を推進した。レンズに関しては、詳細設計を詰めて最終形式を決定し、実際の製造をすすめて、トータル20本を調達した。また並行してカメラ系画像処理系の試験を行い、その最適な構成に関して検討を行い、適した物を選定し試験を行った。またコロナ感染症の影響による読取装置の研究計画の変更に伴い、増加する読取量になるべく早く対応するために、実運用が遅れていたHTS2の実用化を急ぎ、画素補間法を用いる事により検出効率を改善し、実運用を開始した。 このほか、原子核乾板供給能力の増強に関しては、構築した乳剤製造装置の運用を継続。またフィルム塗布装置に関しても運用を開始し、本格的な量産を開始した。 原子核乾板本体の高機能化に関しては、粒子径の異なる乳剤を開発し、増感の最適化などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不可抗力であるが、コロナ禍で読み取り装置関係の資材調達などに遅れが生じ、研究計画の再編を行った。予算的には、繰り越し、事故繰り越しなどによって対応させていただいた。再編した研究計画に従っておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
読み取り装置に関してはその完成に向けて引き続き研究開発を推進する。 原子核乾板供給能力の増強に関しては、引き続き運用を行い、実際の各種研究プロジェクトにおける活用を進める。 原子核乾板本体の高機能化に関しては、開発した特性を改善、用途に最適化した原子核乾板の量産を継続し、各種実験に使用してゆく。
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Research Products
(70 results)