2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of ILC2 in idiopathic interstitial pneumonia
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18H05286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茂呂 和世 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (90468489)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Keywords | ILC2 / 線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症の発症機構を明らかにするために肺線維症自然発症マウス(IFNgR-/-Rag-2-/-マウス)を用いた解析を行った。IFNgR-/-Rag-2-/-マウスは我々が2010年に報告した新しいリンパ球である2型自然リンパ球(ILC2)が抑制機構の欠落により過剰に活性化するマウスである。18~22週齢前後から肺に限局した線維化が認められ呼吸困難により50週齢前後で死に至ることからヒトのIPF病態同様加齢が発症に関与する事がわかる。また、様々な病理学、免疫学的解析から、我々の線維症発症マウスがIPF病態と極めて類似する表現型を示すことが明らかになった。ILC2欠損マウスではこれまで線維症の研究に用いられてきたブレオマイシン誘導性肺線維症が発症しないことがわかった。IFNgR-/-Rag-2-/-マウスのIFNg受容体と獲得免疫系の欠損は全身性であり、線維化は通常肺だけでなく肝臓や皮膚など様々な組織で起きるにも関わらず、線維化は肺に限局することがわかった。線維化誘導メカニズムに重要な因子としてTGFβ、IL-4、IL-13、Amphiregulinなどが知られているが、Single cell RNA-Seq解析からILC2はこれらの因子をすべてこう発言する細胞であることが分かった。Single cell RNA-Seq解析は未発症期、発症期、増悪期に分けて経時的なサンプリングを行ったが、ILC2の活性化によって顕著な変化を示すストローマ細胞を同定することができた。ヒトIPF検体については20検体の検討が終了し、IPFとILC2の関連が示唆されるデータが得られたため、2年度目からは検体数を増やしメカニズム解析を行うことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きな目標の一つにSingle cell RNA-Seq解析による未病期、発症期、増悪期の細胞胴体解析を挙げているが、計画が極めて順調に進んでおり、当初1年目は実際のサンプリングとシークエンスに時間を要すると考えていたが、すべての解析を終了し、ターゲットの絞り込みも終了した。 ヒト検体についても3年間で40検体を目標としていたが、すでに1年目で20検体を終了し良好な結果が得られたため検体数を増やすための倫理申請を再申請した。100検体を超える解析が可能と予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
Single cell RNA-Seq解析から得られたIPFの発症に関与すると予想される現象、特にILC2によるストローマ細胞への影響についてIn vitro、In vivo解析を行い、メカニズムを明らかにする。特にILC2が直接ストローマ細胞に影響を与えるのか、与えるとすればどのような因子によって与えるのか、間接的であればどのような細胞を介して影響を与えるかを明らかにする。 ヒト検体については企業協力が得られたため、創薬に向けても動き始めている。病院と研究所間の往復に時間が費やされることが問題点であったが、企業から検体の輸送と解析を行う人員をサポートしてもらえることになったため、より一層研究の推進が図れるものと期待している。
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Research Products
(10 results)