2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of world’s most reliable deposited-aerosol database on the Anthropocene (from 1850 to 2020)
Project/Area Number |
18H05292
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯塚 芳徳 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (40370043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 立 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00580143)
関 宰 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (30374648)
的場 澄人 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (30391163)
大島 長 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (50590064)
藤田 耕史 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80303593)
大野 浩 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80634625)
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Project Period (FY) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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Keywords | アイスコア / エアロゾル / グリーンランド / 産業革命 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、氷床で最も保存の良いグリーンランド南東ドーム地域で250m長のアイスコアを掘削し、世界で最も確度の高い過去200年間のエアロゾルのデータベースを構築し、その変遷要因によるエアロゾルと気温の関係解明を目的とする。令和5年度の成果は北極グリーンランドの頂上のひとつ(SE-Dome)で掘削された250m長のアイスコアを用いて、産業革命前から現在にかけての夏季積雪融解量が北極域の温暖化に伴い増加したことを解明したこと、アイスコア中のI-129を人新世のゴールデンスパイクの優れた候補として提案したことである。 2021年に掘削したグリーンランド氷床南東部アイスコアの高精度年代スケールを構築し、産業革命前から現在にかけての夏季積雪融解量が北極域の温暖化に伴い増加したことを解明した。複数の物理・化学的な解析から、グリーンランド氷床南東部のアイスコアの1799年から2020年にかけての時間スケールを、半年解像度という高精度での確立に成功した。そして確立された年代を元に過去221年の降水量と夏季融解層の厚さを復元し、グリーンランド南東部では、融解層の厚さは北極域の温暖化に伴い19世紀から21世紀にかけて増加していることが明らかにした。 アイスコアを加速器質量分析を用いて分析し、大気圏核実験により生成したヨウ素129(I-129)のピークが明確に記録されていることを初めて見出した。また、I-129のピークは人類の活動が地球環境に不可逆な影響を与え始めた新しい地質年代とされる「人新世」を示すゴールデンスパイクの有力な候補を提唱した。アイスコアや極域という枠を超え、地球上で利用可能な人新世のタイムマーカーを提示したことは、今後の第四紀学、考古学、気候モデルによる歴史実験などさまざまな研究分野への波及効果が大きいといえる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] グリーンランド南東部SE-Dome II アイスコアを用いた過去220年間の涵養量と融解履歴の復元2023
Author(s)
川上薫,飯塚芳徳, 捧茉優, 松本真依, 斎藤健, 堀彰,石野咲子, 藤田秀二, 藤田耕史, 高杉啓太, 畠山匠, 浜本佐彩, 渡利晃久, 江刺和音, 大塚美侑, 植村立, 堀内一穂, 箕輪昌紘, 服部祥平, 青木輝夫, 平林幹啓, 川村賢二, 的場澄人
Organizer
日本地球惑星科学連合2023年大会
Invited
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[Presentation] グリーンランド南東ドームアイスコアにおける積雪構造と圧密氷化過程2023
Author(s)
松本真依, 飯塚芳徳, 斎藤健, 川上薫, 捧茉優, 安達聖, 八久保晶弘, 青木輝夫, 藤田秀二, 藤田耕史, 堀彰, 高杉啓太, 的場澄人
Organizer
雪氷研究大会
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