2019 Fiscal Year Research-status Report
刹那滅・同一性・再認をめぐる中世インドの哲学対話の解明
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18K00055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
志田 泰盛 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60587591)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 刹那滅 / 空華 / 非実在 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年5月に、第78回日本哲学会大会において「実在論の可能性ーインド哲学との対話」というテーマの学協会シンポジウムにおいて、日本印度学仏教学会側の話題提供者として登壇し「空華の非実在性ー刹那滅論におけるインド版〈思考可能性論法〉ー」という題目で発表をした。 同年9月から10月にかけて、インド・コルカタのアジア協会写本図書館、および、ベナレスのサンプールナーナンダ・サンスクリット大学において、関連写本の調査を行い、本研究課題の主要テキストである『プラカラナ・パンチカー』の複写を入手した。 2019年12月13日に、京都大学白眉センター主催の Hakubi Autumn Camp 2019 において、「古典インドにおける非実在の分析」という題目で発表し、また同月21日に、インド思想史学会第26回学術大会において「空華の分析可能性と思考可能性」という題目で発表し、いずれも、本研究課題のテーマである刹那滅論について、未出版テキストの校訂を用いた発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型ウイルス感染症対策等の影響で、本務校で推進を担当している海外教育研究ユニット招致プログラム(人文社会系)にハンブルク大学を中心とする国際的な学術交流や、学内の授業を含む日常業務に大幅な計画変更等があったため、本研究課題の推進がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年1月にオーストラリアで開催が予定されていた国際サンスクリット学会には発表を応募しており、現在のところ、当初の予定通りの開催が見込まれている。そこでは『プラカラナ・パンチカー』第9章の校訂研究として、入手できた13本の資料同士の関係の分析を含む、包括的な校訂ノートを発表し、他の章の校訂の指針とテキスト原型の推定のための資料を提供する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染症対策のため、2020年1月から3月の間に予定されていた各種研究集会への参加および研究者の招聘を中止したため、次年度使用額が生じた。 今年度は、各種研究会がテレワークで代替する動きが目立ってきたため、感染症対策が長引いた場合は、テレワーク作業を効率化する物品等の購入を予定している。
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Research Products
(2 results)