2020 Fiscal Year Research-status Report
マキアヴェッリとフィレンツェの政治文化-社会形成に〈神〉は必要か
Project/Area Number |
18K00100
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石黒 盛久 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50311030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厚見 恵一郎 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00257239)
鹿子生 浩輝 東北大学, 法学研究科, 教授 (10336042)
村田 玲 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (20507892)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | マキアヴェッリ / 宗教 / 立法者 / 誓約 / 暴力 / 唯物論 / サヴォナローラ / 起源 |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究の相互研鑽の場として2021年3月15日に早稲田大学先端社会科学研究所協賛のもと、セミナー「マキアヴェッリ政治思想における〈超越〉と〈制度〉-近年の若手研究の最前線から」を実施した。
個別業績としては、石黒が論文Morihisa ISHIGURO, Violenza e sacra alleanza nel pensiero machiavelliano, in Guerra di religione e propaganda 1350-1650, TAB Edizione, 2020, pp. 81-97、史料邦訳「【翻訳と注解】フランチェスコ・ヴェットーリ初ニッコロ・マキアヴェッリ宛書簡(1513年6月27日/1513年8月5日)及び「【翻訳と注解】F・ヴェットーリのマキアヴェッリ宛書簡(1514年12月3日~1515年1月16日)」を公刊した。鹿子生は政治思想学会及び九大政治研究会で研究発表を行うとともに、ミネルヴァ書房刊『よくわかる政治思想』においてマキアヴェッリ関連部分を執筆した、厚見は『週刊読書人』3664号に、「書評:マキァヴェッリ、決疑法の反転、二重真理説――カルロ・ギンズブルグ著『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』」を寄稿している。
また石黒・厚見・鹿子生・村田の共通の成果として、一昨年実施した公開講座「マキアヴェッリと宗教-社会・国家形成に〈神〉は必要か」の行事記録(関西大学法学研究所『ノモス』47号、pp143-217(石黒 pp.145-155/ 鹿子生pp.156-165/ 厚見 pp.165-175/ 村田 pp. 175-188))を公にしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年ごとの成果を講座・セミナーという形で広く社会に公開するとともに、各自の研究をモノグラフィーとして着実に蓄積している。昨年度はコロナ下のため、想定していた本来の終点である論集公刊を実現することができなかったが、従来の共同研究メンバーに加えて、新進気鋭の若手研究者の協力を得たことに力を得、コロナ蔓延状況の好転を待って積極的に研究集会を実施し、共通の結論を獲得する見通しを立てるとともに、それを踏まえて当初の目標である論集公刊を実現したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
Zoom等の遠隔通信機器を活用し、意見交換のための研究会を1-2か月に1回のペースで実施するとともに、海外での資料調査が実施できなくなくなったことへの対応策として、このZoom利用の研究会のスピーカーとして海外研究者を招へいするなど、コロナ下でも展開できる国際的研究ネットワークの構築を図る。夏過ぎに1回、来年初頭に1回、本格的な研究シンポジウムを実施するとともに、その成果を論文化し研究全体の総まとめとしての論集を編纂する。
|
Causes of Carryover |
コロナ蔓延の結果、予定していた海外研究調査や海外研究者と共同研究活動がほとんどストップしてしまったため、多額の資金の剰余が生じてしまった。本年度については、前半は昨年度と状況が変わらないことが予想されるため、まずは文献の購入を積極的に推進したい。近年は安価なリプリント版が刊行されその必要は低下したものの、文献研究についてはオリジナル・テクストに直接触れるということも必要不可欠の作業と考える。価格面の問題もありこれまで購入を控えていた、16-17世紀刊行の古典籍の購入も視野に入れていきたい。また研究会の実施に遠隔システムの導入は不可欠であるので、Zoom、Chatwork、Dropbox等のシステムの導入契約の費用の支出も予定している。年度末には海外への移動や、海外研究者の招へいも可能となるのではないかという期待から、年度後半に向け1回程度の海外研究調査が可能な予算は確保しておきたい。
|