2020 Fiscal Year Research-status Report
Visual/motor intervention for voice, speech, respiration, and swallowing: Development of an anti-aging model by singing
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18K00147
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Research Institution | Showa University of Music |
Principal Investigator |
羽石 英里 昭和音楽大学, 音楽学部, 教授 (70350684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城本 修 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (00290544)
河原 英紀 和歌山大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (40294300) [Withdrawn]
萩原 かおり 昭和音楽大学, 音楽学部, 教授 (50649449)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歌唱 / 発声 / 発話 / 呼吸 / 嚥下 / 加齢 / パーキンソン病 / リモート(遠隔) |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はコロナ渦のため、当初予定していた歌う習慣のない高齢者を対象とした対面での肺活量、発声機能、嚥下機能のデータ収集や音楽療法セッションは、感染リスクが高く、実施できなった。このため、昨年度までのデータの分析と成果発表を中心に行った。当初の予定では、歌う習慣のある高齢者と習慣のない高齢者のデータを比較する計画だったが、上記の理由で後者のデータが収集不可能であったので、代わりに先行研究に含まれる同じ評価項目のデータを比較対象として引用し、結果を学会報告した。 耳内嚥下音の分析については、昨年度まで研究分担者であった河原が引き続き研究協力者として参画し、雑音があってもターゲット音を特定する音響分析の方法を開発したので成果として報告をしている。また、引き続きリアルタイムでの発声状態の視覚的フィードバック機能をもつプログラムの臨床に合わせた改善をすすめている。 これらと並行して、2021年度に向け、発声・発話、嚥下障害改善のための歌を使った抗加齢モデルセッションやデータ収集について、リモートでの方法を試し、検討した。主に、Zoomを使用して実験外のセッションで試みた結果、音声の遅延やハウリングの問題、複数の参加者がいる場合の場面に応じたミュート使用など、様々な課題はあるものの、研究セッションはリモートで実施可能と判断した。 なお、発声・発話、嚥下障害については健康な高齢者に比べパーキンソン病患者のニーズが高いため、制約の多い現状を鑑み、今回はパーキンソン病患者に絞ってセッションを実施し、その効果を評価することとした。2020年度末にはオンラインによるデモセッションを複数回行って研究参加者を募ると同時に、研究内容への理解を得る努力をした。重度になるほど運動障害のために移動が困難になるパーキンソン患者にとって、コロナ禍が過ぎてもリモートでの介入は今後重要な意味を持つと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飛沫防止・感染防止の観点から発声・発話、歌唱等を対面で行うことはできなかったが、Zoomを使ったリモートでの音楽療法の実践を大学での実習や学外での臨床活動を通じて様々な場面で試行し、患者を対象とした研究へのステップを築くことができた。学会発表はすべてリモートでの実施となり、オンライン録画やリアルタイムでの配信による発表を体験することができた。 研究セッションでは、対面とは異なる方法をとらなくてはならない場面もあり、制約はあるだろう。しかし、画面を通して対象者の状態がクローズアップされることで、対面よりも細かく確認できる場合もある。同時に対象者もこちらのモデリングなど視覚的な情報を確認できる。こうしたリモートならではの利点もあるので、をれらを活かして研究の目的は達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
パーキンソン患者を対象として、リモートで音楽療法セッションを行い、研究をすすめていく。評価は、郵送での質問紙とZoomの録音・録画機能の組み合わせですすめる。評価は個別に行い、音楽療法のセッションは小グループにして、それぞれの参加者の様子を確認できるようにする。教材はZoomの共有画面機能を用いて、パワーポイントにあらかじめ歌の歌詞を用意し、一緒に歌う曲を伴奏つきで録音するなどの準備をしておくことで、円滑にセッションをすすめる。データ分析をすすめ、学会発表、論文執筆などを通して研究成果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ渦により、学会発表についてはオンラインになるケースが多かった。研究分担者、研究協力者を含む打ち合わせ会議も対面開催の代わりにZoom会議を利用した。以上の事情により旅費を使わなかったことが主たる理由である。
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Research Products
(10 results)