2020 Fiscal Year Research-status Report
Communication gap between funders and academia in tackling societal issues
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18K00258
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
望月 麻友美 大阪大学, 経営企画オフィス, 准教授 (10791733)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学技術政策 / 欧州 / 研究力分析 / コミュニケーション / 社会課題 / 助成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、社会課題解決を目指す研究推進の場において、政策と研究者との間にコミュニケーション、コンテクストギャップが存在すると仮定し、それが何かを明らかにすることを目指すものである。 令和2年度においては、令和元年度末から引き続き、国内聞き取り調査および、欧州での学会参加、欧州現地での作業を実施することができなかった。現地聞き取りについては、令和3年度の実施を目指す。 そのため、その他の作業を行った。具体的には、社会的課題の柱の事例のリスト化、およびその研究成果の整理を引き続き行い、全体像の把握を行った。また、資料分析および分析手法収集を行った。 さらに、実際に現場で研究に関わる大学関係者や、研究支援者とオンライン上で予備的議論を行い、アカデミア側が社会的課題に対してどのような意識でいるか、また社会課題解決を目指す助成金に対する意識について調査し、現状についてのフィードバックを受けることができた。
また、2021年より、当研究課題で注目している第8期研究・イノベーション枠組みプログラム「Horizon2020」の後継プログラムである第 9 期研究・イノベーション枠組みプログラム「Horizon Europe」(2021 年~2027 年)が開始された。プログラム設定最終段階における議論をモニタリングし、社会課題に対する位置づけの変化についての調査を行った。さらにプログラムで用いられる表現に着目し、研究に対する期待の変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年度後半から引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、本研究課題の最重要点である国内および欧州での関係者への聞き取り調査を実施することができなかった。また、参加を予定していた欧州での政策系の学会への参加も断念した。 また研究代表者の病気療養があったため、現在も可能な範囲でデータ分析等をすすめている状況である。以上のことから、研究の遂行が遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、可能な限りデータ分析を継続する。また、後継の政策と比較分析を行い、政策で用いられる表現の変化への考察も引き続き行う。 当初の予定では、現地聞き取り調査および議論の実施と学会参加を複数回実施することにより、欧州の関係者とのネットワークを拡大し、深度のある議論を行う予定であった。渡航が可能であれば、令和3年度後半に現地調査を実施を予定している。 しかし、現地調査と学会現地参加が実施不可能であった場合に備え、オンライン上で欧州関係者へのインタビューや議論の場の設置準備も並行して行う予定である。オンライン上での聞き取りの場合は、現地調査ほどの成果は期待できないかもしれないが、関係者とのコミュニケーションを丁寧に行うことで、情報収集の精度をできるだけ高める予定である。最後にまとめとしてデータ分析とインタビュー調査からの考察を実施する。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、令和元年度後半から令和2年度の間に新型コロナウイルス感染症の影響により実施できずにいた欧州現地調査のための支出を予定している。 また、研究のまとめとして分析とインタビュー調査の融合させるが、関連書籍購入や打ち合わせ実施に必要な物品購入、情報収集時に生じる謝金を予定している。
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