2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K00457
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 正 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 名誉教授 (10253858)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゲオーポニカ / アナトリオス / イスラムの農書 / キターブ・アルフィラハ / カッシアノスの農書 / イウニウスの農書 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題に関する研究成果を日本西洋古典学会第71回大会で発表することになっていたが、コロナ禍で延期になった。同大会は今年2021年6月5-6日に開催されることが決定したので、「シリア・アラビア・アルメニアの伝承における『ゲオーポニカ』ーユニウスおよびアナトリオスの農書と『ゲオーポニカ』第2書との連関について」の題目で発表することになった。延期された1年間にこのテーマに関する研究を深めることができた。 研究課題に関わる資料調査・収集については、コロナ禍で国内外での出張ができなかったので、鹿児島大学中央図書館に依頼して、2文献を入手した。広島大学中央図書館より『Carl Brockelmann, « Die armenische Übersetzung der Geoponica », Byzantinische Zeitschrift 5, 1896, p. 385-409.』、京都産業大学図書館より『F. Habbi, « Testi geoponici classici in siriaco e in arabo », dans G. Fiaccadori (éd.), Autori classici in lingue del Vicino e Medio Oriente, Roma 1990, p. 77-92.』を入手した。 また、『ゲオーポニカ』とユニウスおよびアナトリオスの農書との比較研究を行った。両書の比較研究を通して、1.『ゲオーポニカ』第2書はその多くが(全49章中38章が)アナトリオスの農書からではなく、ユニウスの農書からの抜粋であるということ、2.『ユニウスの農書』のギリシア語原典を底本の一つとして6世紀にCassianus Bassusの『農業に関する選集』が編纂され、さらに『選集』を基に10世紀中葉に『ゲオーポニカ』が編纂されたことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】に記したように学会発表が1年延長になり、その間研究を深化させることができた。結果、予想以上の研究成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究成果の発表。【研究実績の概要】に記したように研究成果を学会で発表する。 2.国内における資料・文献の調査・収集はおおむね終了したので、今後は海外の図書館等での調査・収集を予定している。特に、本研究にとって、アラビア語版写本(Meshed: Rida 5762およびMilli 796)の入手は必要不可欠である。これらはテヘラン国立図書館に所蔵されているので、まずはテヘランでの調査・収集を実施したい。『ゲオーポニカ』とシリア・アラビア・アルメニア語版『農書』との比較研究については、今後も研究を継続してゆくつもりである。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、研究成果を発表予定であった「第71回日本西洋古典学会」が2020年6月から2021年6月に延期となり、海外の図書館でのアラビア・シリア語文書の調査・収集も海外への渡航ができなかったことから断念せざるを得なかった。 次年度は、上記の学会にて研究成果を発表し、海外の図書館等での調査・収集を予定している。特に、本研究にとって、アラビア語版写本(Meshed: Rida 5762およびMilli 796)の入手は必要不可欠である。これらはテヘラン国立図書館に所蔵されているので、まずはテヘランでの調査・収集を実施したい。『ゲオーポニカ』とシリア・アラビア・アルメニア語版『農書』との比較研究については、今後も研究を継続してゆくつもりである。
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