2022 Fiscal Year Research-status Report
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18K00457
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 正 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 名誉教授 (10253858)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲオーポニカ / アナトリオスの農書 / ユニウスの農書 / イスラムの農書 / マシャド写本 / テヘラン写本 / アレッポ写本 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究課題「古代農書『ゲオーポニカ』研究―アラビア語版に基づくギリシア語原典の復元」に関する研究論文「シリア・アラビア・アルメニアの伝承における『ゲオーポニカ』ーユニウスおよびアナトリオスの農書と『ゲオーポニカ』第2書について」が昨年『西洋古典学研究』69巻に掲載されたが、それに関連する論文“The Geoponika in Syriac, Arabic, and Armenian Tradition: The Relation between the Agricultural Books of Yunius and Anatolius and the Second Book of the Geoponika”を執筆し、ドイツの国際的な専門誌Byzantinische Zeitschriftに投稿し、現在査読審査中である。掲載されれば、2017年以来の2度目の掲載になり、この研究が世界的に認められたことになる。 2.研究課題に関わる資料の収集を行った。 コロナ禍で国内外での資料調査・収集を目的とした出張ができなかったが、研究課題に関わる研究の世界的な第一人者であるCarlo Scardino氏のご厚意により、ユニウスの農書のアラビア語版写本二つを入手することができた。 1.Mashad Rida 5762 (Pdf-document) 2.Teheran Milli-796 (CD-Rom) 3.ユニウス(シリア語版・アラビア語版)の農書の翻訳を行ないつつ、『ゲオーポニカ』とユニウス(シリア語版・アラビア語版)およびアナトリオス(アラビア語版)の農書との比較研究を行った。そして、この研究成果を1に記したByzantinische Zeitschriftに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】に記したように、英文の論文を執筆し投稿できたので。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究実績の概要】2に記したように、本研究にとって特に重要なアラビア語写本(Meshed Rida 5762およびTeheran Milli-796)を入手できたので、今後はその翻訳に努めたい。また写本原本はテヘラン国立図書館に所蔵されているので、テヘランでその写本の調査を行いたい。また、アラビア語版写本入手の便宜を図って下さったC. Scardino氏と本研究に関する情報交換を行ない、本研究の進展を図りたいと思っている。『ゲオーポニカ』とシリア・アラビア・アルメニア語版の各農書との比較研究については、今後も研究を継続してゆくつもりである。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外の図書館等での資料調査・収集ができなかった。したがって、次年度の繰越金は海外の図書館・博物館等での資料調査および海外研究者との情報交換のための費用に充てたい。アラビア語版写本原本(Teheran Milli-796)は現在テヘラン国立図書館に所蔵されているので、テヘランでの調査を実施したい。次に、大英博物館所蔵のシリア語版写本原本の調査および収集を行ないたい。
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