2021 Fiscal Year Annual Research Report
Overlap between Exoticism and Localism: Toward the Construction of a Research Platoform for East Asian Modernism Studies
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18K00509
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
波潟 剛 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10432882)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モダニズム / 異国趣味 / 郷土主義 / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の中で着手が遅れていた課題、およびネットワーク構築の作業に取り組んだ。研究面では、「異国趣味」とともに課題の軸としていた、モダニズムと「郷土主義」との関係について学術発表を行った。2021年8月にオンラインで開催された16th International Conference of the European Association of Japanese Studiesでは、"Primitive Voices: Modernism, Regionalism, and Exoticism of Japanese Literature in the 1930s"というタイトルで発表を行い、1930年代半ばの日本における文学界では、「地方」に注目が集まる一方で、そこから帝国の周縁である「外地」へと関心を向けるモダニストと、日本の理想的な「故郷」を見いだすモダニストの双方が存在したことを明らかにした。また、ネットワーク構築に関しては、2019年7月に九州大学で開催したワークショップの報告者にも協力を仰ぎながら、「〈東アジア・モダニズム〉研究プロジェクト」のwebサイトを開設し、ワークショップの記録とともに、モダニズム研究の基本文献や関連リンク情報を多言語で掲載した。さらに、研究課題終了後の展開を見据えて、2022年3月にグラスゴー大学と九州大学の共同イベントに参加し、日本のモダニズムに関する発表を行った。以上のように、本研究課題による知見の蓄積(モダニズムと「異国趣味」、そして、「郷土主義」との関係)とともに、webサイトを通した情報共有・提供と、国際的な人的ネットワークの広がりを元にして、今後、グローバルに展開するモダニズム研究との接点を深め、〈東アジア・モダニズム〉の研究を進展させたい。
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Research Products
(3 results)