2021 Fiscal Year Research-status Report
外国人家事支援人材に対する日本語教育・日本語学習支援プログラムの開発
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18K00699
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
今西 利之 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (50332888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 史央 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (70340437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人家事支援人材 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、家事支援人材としての個別の業務経験の有無、現状の言語能力での業務の難易度、業務上の必要性、及び外国人家事支援人材の属性や自身の日本語能力に対する自己評価などを問い、外国人家事支援人材が業務上必要とする日本語の優先順位を調査するために外国人家事支援人材の受入企業に依頼した「家事支援業務に関するアンケート調査」の回答内容の分析を引き続き行った。これにより、外国人家事支援人材に対する日本語教育・日本語学習支援プログラムにおける学習者のニーズに基づいたシラバス、カリキュラム作成のための基礎資料の一部を得ることができた。具体的には、「受入企業からの業務に関する指示の理解」「業務先への移動」は経験があり必要性は高いが、難易度はそれほど高くないこと、業務先での顧客とのやりとり(簡単な挨拶、スモールトーク、「掃除」「洗濯」に関する指示の理解及び実施内容の報告など)、及び「掃除」「洗濯」に関する業務の遂行は、経験もあり必要性も高く難易度も高いこと、一方、「買い物」に関わる顧客とのやり取りや業務遂行は、経験・必要性・難易度ともに中位であること、「室内の機器の操作」は、経験や必要性は低いものの難易度が高いことが明らかになった。 また、外国人家事支援人材受け入れに関する政府や関係機関の最新の動向等について情報収集を行うとともに、外国人家事支援人材受入企業と交渉を行い、今後の研究への具体的な協力依頼と研究の進め方について引き続き協議した。 しかしながら、コロナ禍による国内での不要不急の移動の自粛、海外渡航の見合わせの影響を受け、予定していた、対面でのインタビュー調査や渡日前研修の現地調査等を行うことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
引き続き、コロナ禍による非常事態宣言・まん延防止等重点措置の発令等により、外国人家事支援人材受け入れ企業において出社や対面による研修等が長期間見合わせられたこと、さらに、外国人家事支援人材の入国が長期間止まっていることにより、アンケート結果の分析や評価を踏まえた追加の調査を行うことができなかった。さらに、引き続き、海外渡航ができないため、外国人家事支援人材の入国前の日本語研修等の調査も行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の収束を見据え、受け入れ企業での対面調査及び、海外に赴いての調査の可能性を探りつつも、対面以外の方法での調査の可能性や、これまでに得られたデータや文字資料を基にしつつ、教育内容、シラバス、カリキュラム等を策定を行いつつ、オンラインでの学習が可能な教材のパイロット版を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
引き続き、コロナ禍による国内での不要不急の移動の自粛、及び海外渡航の見合わせにより、今年度予定していた国内外での実地調査、インタビュー調査を行えなかったこと、学会・研究会等がすべてオンラインで実施されたことにより、旅費の執行ができなかった。また、これらにより、研究の進行が遅れており、その結果、物品費、人件費等の執行もできなかった。 今年度は、コロナ禍の収束を見据えながら、可能な範囲で実施調査、インタビュー調査、協力企業との各種打ち合わせや学会出席、研究発表等を行うこと(旅費の使用)に加え、教材作成のための機器類の購入(物品費の使用)や技術支援(謝金の使用)等を行う予定である。
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