2018 Fiscal Year Research-status Report
An Analysis of the Difficulties in Business Communication by Chinese Learners of Japanese
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18K00704
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
蒙 ユン 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクトPDフェロー (10783582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
近藤 彩 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (90377135)
中井 陽子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (60398930)
堀井 惠子 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (70279769)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビジネス・コミュニケーションの困難点 / 中国人日本語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、データの収集が難しく未解明な点が多いビジネス・コミュニケーションをめぐり、日本語学習者が直面している困難点を明らかにし、その成果をビジネス日本語教育の現場に還元することにある。具体的には、ビジネスの現場、特に仕事上、日本語を使うことに最も遭遇しやすく、かつ日本語の面で感じる困難点が深刻だと思われる「会議(フォーマル)と「雑談」(インフォーマル)という2場面に焦点を当て、自然なビジネス・コミュニケーションのデータと会話参加者による会話の自己評価情報を収集し、それらを対象に質的側面を中心に分析する。その際、オーセンティックなデータの精密な記述を基盤とした会話分析と、学習者の視点を中心とした日本語教育学の観点から、日本語母語話者や学習者相互との比較を織り交ぜて分析することにより、日本語学習者が直面しているコミュニケーションの実態を明らかにし、その困難点と改善策を探究する。 2018年度は、次の方法でデータを収集する予定であった。 ①「会議」と「雑談」の2場面の会話データの収集:ビジネス関係者の自然会話を録音・録画する。 ②フォローアップ・インタビューによる評価データの収集:各会話当事者に、半構造化インタビュー形式で会話や会話の相手に関する印象や感想を聞く。 ③フェイスシートによる調査対象者の属性の把握:属性(年齢、性別、外国語学習歴・ 能力、滞日/海外経験、外国人との接触経験等および、対話相手との親密度、用務内容等)と対話データの関連性を分析するために、調査対象者の個人情報を収集する手段としてフェイスシートを作成、使用する。 ④BJTビジネス日本語能力テストによる日本語能力の把握:学習者のビジネス日本語能力については、必要に応じてBJTビジネス日本語能力テストによりレベルを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ビジネス日本語の調査を阻む高い壁、企業秘密保持義務という壁にぶつかった。企業活動において、録音・録画により情報が漏洩してしまい、機会損失、利益逸失などの大きなリスクになる可能性が高いため、企業側が調査の協力とデータの使用・公開について躊躇している。また、多忙な社会人にとって、長時間の調査協力がかなりの負担になるため、本来予定したデータの収集方法と分析方法をもう一度見直す必要があった。そのため、2018年度は本調査のデータの収集方法と分析方法を定めるため、予備調査を行い、予備調査で収集したデータの分析方法まで探ってみた。
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Strategy for Future Research Activity |
本来予定した、下記のデータ収集方法以外、アンケート、インタビューとロールプレイという手法を追加した。
①「会議」と「雑談」の2場面の会話データの収集:ビジネス関係者の自然会話を録音・録画する。 ②フォローアップ・インタビューによる評価データの収集:各会話当事者に、半構造化インタビュー形式で会話や会話の相手に関する印象や感想を聞く。 ③フェイスシートによる調査対象者の属性の把握:属性(年齢、性別、外国語学習歴・ 能力、滞日/海外経験、外国人との接触経験等および、対話相手との親密度、用務内容等)と対話データの関連性を分析するために、調査対象者の個人情報を収集する手段としてフェイスシートを作成、使用する。 ④BJTビジネス日本語能力テストによる日本語能力の把握:学習者のビジネス日本語能力については、必要に応じてBJTビジネス日本語能力テストによりレベルを確認する。
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Causes of Carryover |
本調査のデータ収集だけではなく、収集したデータの整理・転記をすべて完了させ、ビジネス日本語に関する教材(試用版)を開発するため。
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