2022 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Collaborative Explanatory Activities for Improving Monitor and Comprehension Skills in JSL Reading
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18K00711
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 礼子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (30432298)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 初級 / モニタリング / 学習ストラテジー / 日本語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは上級日本語学習者を主な対象としていたが,初級や中級日本語学習者へもモニタリングを促進する学習法を展開することを目指して研究計画を見直した。学習者が自らの力で日本語を読み取り学習するための「ストラテジー」を学ぶ初級学習者対象のコースを対象として,日本語や日本語学習のモニタリングを授業で導入する方法を検討した。 実践の基本方針は,1.学習方法を学ぶ,2.現実の言語を用いる,3.内容重視で,生活環境にある短いことば・文字・文・音声を対象とした。授業は自然な短い会話の演習,日本語・文化・言語学習について話し合う演習,生教材を用いた演習で構成される。それぞれの活動後には媒介語である英語を用いた話し合いを行った。授業外で日本語に触れるためのオンライン・ディクテーション課題と授業内容や考えへの設問を答える課題があった。 学習者のコメントの分類から,目標言語使用のための学習ストラテジー,内容重視,現実の言語,学び合い,心理的安全性が得られた。受講者は,本コースの目的が言語使用のために日本語学習方法や文化を学ぶことであることを認識し(学習方法),自然に言語を使用するためには内容を伝えたいという動機のほうが重要だと理解していることがわかった(内容重視)。短い日本語を使って速やかに返答する練習をしたことで,負担や日本語への苦手意識が軽減され自然に話せたと感じた受講者もいた(現実の言語)。クラスメートから学びがあったという認識も多くみられ(学び合い),比較的自由に表現できる英語で話すことでリラックスした雰囲気となり語り合うことができたようだった(心理的安全性)。日本語入門期の学習者においてもメタ認知的な能力を活用し,日本語学習を進めることが可能であると考えられる。
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Research Products
(1 results)