2022 Fiscal Year Annual Research Report
Learner-Participatory Practice Research Aimed at Collaborative Evaluation by All Parties Involved in Classrooms
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18K00716
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
広瀬 和佳子 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (60711752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寅丸 真澄 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授 (60759314)
市嶋 典子 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90530585)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 協働的評価 / 実践研究 / 授業評価 / 対話 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、対面での研究活動に制限がなくなったため、7月に神田外語大学で研究分担者による授業参与観察を実施するとともに、9月には研究成果報告会を実施した。また、これまで収集してきた4年間の教室データおよび、学習者や研究分担者との対話データを総合的に分析し、本研究課題の最終成果として論文にまとめ、発表した。 本研究は、教師と学習者が教育実践を協働的に評価し、実践の改善をめざす実践研究方法論を構築することを目的として実施した。教師と学習者の対話および教師間の対話による実践評価が授業改善に与える影響を4年間に渡り収集したデータを基に質的に分析した。学習者は授業の目的と意義を十分理解したうえで具体的な授業改善案を述べた。それは、教室参加者が互いに評価の重なりやずれを認識し、合意を形成することで授業改善が可能となることを示唆していた。このような対話は、学習者が自身の学習を多様な観点から評価し、自分にとって必要な学習環境を自らつくり出す力を養う。一方、教師間の対話による評価は、実践内部者の評価を外部者の視点から問い直し、教師に内省を促すことで授業の改善を理念的に支えるものとして機能していた。 学習者が実践研究で一定の役割を果たしうることは明らかにできたが、いつ、何を評価対象とし、だれと対話するのかを授業計画の中で具体化していくことが課題として残された。教師間の評価についても、対話するだけでは不十分であり、他者に実践の価値を伝えるために、教師には書くことを通して内省を深める努力が求められることが分かった。この結果は、次の科研費研究課題へとつながった。今後は教室活動の中に学習者の授業評価を効果的に組み込む具体案を考えるとともに、教師間の評価を実践研究アプローチの一つとして発展させるための新たな研究に取り組んでいきたい。
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Research Products
(5 results)