2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of web-based teaching materials for developing lecture comprehension skills from a multimodal perspective.
Project/Area Number |
18K00719
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
毛利 貴美 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (60623981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 智樹 関西大学, 国際部, 准教授 (60614617)
中井 好男 大阪大学, 国際共創大学院学位プログラム推進機構, 特任助教(常勤) (60709559)
寅丸 真澄 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授 (60759314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 講義理解 / ノートテイキング / ストラテジー / メタ言語 / マルチモーダル / Webベース / トレーニング / Can-do statements |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、交付申請書の研究実施計画の予定通り、Webベース教材の制作および効果検証に至るまでの次の①~③を完了した。①講義理解に有効であると推測されるストラテジーの抽出、講義理解のMicro Skillとしての40項目のCan-do statementsの作成と調査の実施、②①の調査結果から特に講義理解に関わると推測されたストラテジー「講義のノートの取り方」「メタ言語の役割と種類」「既有知識を使った推測と予測」「非言語情報とフィラー」「社会文化的ストラテジー」のトレーニングのためのWebベース教材(合計21本)の制作、③②の教材を使用し、外国人留学生(合計約54名)を対象とした授業(全8回)での効果検証。 トレーニング後にノートの記述数に差があるかt検定を行った結果、記述数が増加したと解釈できた(t (43) =3.138, p <.01)。次にCan-do Statementsの初回と最終回の結果の間で、平均値間に差があるかt検定を行ったところ1%水準で有意な差が認められた(t (53)= -4.613, p <.01)。各項目の間でt検定を行った結果、40項目中の17項目で有意な差が確認され、42.5%の項目で自己評価が向上したことがわかった。その中でも特に「予測」に関する項目に関しては、2019年に本教材によるトレーニングを実施せずに行ったCan-do Statements調査では、初回の自己評価の平均よりも最終回の平均が下がっていたのに対し、本教材を用いて2020年、2021年度に実施したトレーニング後は、初回と最終回の間に、t (53)= -2.554, p <.05と有意な差があり、自己評価が向上していたことがわかった。また、アンケート調査でも、本教材によるトレーニングの内容が講義理解のためのストラテジーの意識化および言語行動に影響していたことが確認された。
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