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2018 Fiscal Year Research-status Report

日本語教育における災害時情報リテラシーの教育法の開発

Research Project

Project/Area Number 18K00730
Research InstitutionRitsumeikan Asia Pacific University

Principal Investigator

本田 明子  立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 教授 (80331130)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords情報リテラシー教育 / 情報発信 / 災害時情報
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、災害時情報リテラシーの指導方法の開発を目的としており、①災害時の用語の収集およびその用語の特殊性の検証のための海外における災害対策や使用される用語の調査と、②実験的手法による学習者の情報収集能力と情報理解力の調査の実施による困難点の解明、③災害時に必要な情報と事前知識の範囲の限定とその教育法の開発という3段階の計画をしている。
今年度は、①を中心に研究を進めた。海外の調査は、ヴェネチアおよびインドでおこなったほか、他の用務での海外出張のさいにも、用務外の時間に災害対策に関する情報や、街の掲示物などのデザインを中心にその国の情報発信のあり方などの情報を収集することを心がけた。また、インドネシアの国際研究大会とインドで開催された南アジア日本語教育研究大会において研究発表をおこなった。インドでの発表は、本研究の発案の契機になった熊本地震後の情報収集に関する調査から発展し、熊本地震を経験した学生の現在の様子を追跡したものであるが、この発表の目的は南アジアの日本語教員、研究者の知己を得て、今後の研究につなげることにあるため、南アジアの学生の日本での様子に焦点を当てた発表とした。その結果、聞き手に興味を持ってもらえたようで、たくさんの教員、研究者と交流を深め、有益な情報を得ることができた。このつながりは、今度の調査にも役立つものとなる。
こうした海外調査の結果、単に情報の提示の方法の違いだけではない、情報ソースと受け手の関係が情報に影響するを可能性など、新たな調査課題が見えてきた。国内でも、災害と外国人に関する調査や研究に関するシンポジウムや研究大会が頻繁におこなわれるようになり、そうした機会には参加して情報収集をおこなった。まだ基礎調査の途上ではあるが、調査を通じて実験的手法によるデータ収集のデザインが形になっており、来年度のデータ収集と分析に向けた準備は整いつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、研究の初年度にあたり、上述①の災害時の情報に関する基礎調査を中心に研究を実施した。SNSやネットニュースなどで発信された災害情報の収集をおこなうとともに、海外の災害の多い地域の現地調査をした。当初の計画では、この調査に基づき日本の災害時の用語の特殊性を検証することにしていた。しかし、調査を進めるなかで、用語の特殊性だけではなく、情報の発信者と受け手の関係による情報への信頼性の問題など、用語以外にも情報リテラシーに影響を及ぼすさまざま要素があることがわかってきた。そこで、こうした要素を含めた調査方法を確立するために、今年度はデータ収集のための予備調査の段階にとどめ、実験的手法による調査のデザインをおこなった。それにより、学習者の情報処理能力に関する本格的な調査には着手できていないが、研究の遅れというよりも新たな要素を取り入れて準備に時間をかけた結果であり、次年度のデータ収集に向けておおむね順調に進んでいると判断した。

Strategy for Future Research Activity

災害時情報リテラシー教育に関する研究は、今年度、国内外の災害対策や情報発信に関する調査を実施したが、次年度はその調査によって新たに浮かび上がった課題に関して、さらに調査を実施する。並行して、これまでの調査で明らかになったことをもとに、研究実績の概要で述べた③の、災害時に必要な情報と事前知識の範囲について検討を進める。
また、学習者の情報収集力と情報理解力を知るために実験的手法によるデータ収集をおこなう。データ収集の方法については、今年度の調査を実施しながら設計を進めており、できるだけ今年度の早いうちに実施し、結果の分析にとりかかる。

Causes of Carryover

当初の計画では、今年度、実験的手法によるデータ収集を実施するさいに、複数のPCやiPad、ビデオカメラ等を購入する予定であった。しかし、実験的手法を進めるための準備としての基礎調査のさいに、研究協力者が必要となり、旅費にかかる費用が予定を超過した。また、実験的調査は、事前調査の段階で、紙ベースの調査をおこなったため、機器の購入は最小限にとどめた。次年度は、本格的に実験的調査をおこなうため、今年度の未使用分を使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] 南アジア出身学生の日本の大学入学から就職に至るまでの軌跡ー学生と教員の視点からー2018

    • Author(s)
      本田明子・石村文恵
    • Organizer
      南アジア日本語教育研究大会
  • [Presentation] Developing Method of Teaching ‘Information Literacy in Times of Disaster’ in Japanese Language Teaching2018

    • Author(s)
      本田明子
    • Organizer
      LIA International Conference on Language and Culture 2018
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2019-12-27  

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