2019 Fiscal Year Research-status Report
Developing English as a Lingua Franca (ELF) in multicultural classrooms
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18K00775
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 悦子 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (70600659)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リンガフランカとしての英語 / ELF / 多文化クラス / 留学生との協働 / 大学授業の英語化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の大学の留学生と日本人学生が共に学ぶ英語での多文化クラスにおいて、日本人学生の英語使用に関して留学生に比べてうまくコミュニケーションできていない傾向を認識し、その原因と考えられる自己表明への抵抗感や方略の欠如を克服し、改善する方策を探究することである。 本年度も昨年度に引き続き、多文化クラスにおける実証データを収集することと、同じく多文化クラスを対象とした前科研費研究とデータを共有しているものについては、海外の国際学会における研究発表、論文執筆を継続した。研究論文(査読有)2本は依然、査読中である。その他プロシーディングスを1本発表し、海外の国際学会での研究発表を2本、行った。 多文化クラスにおける実践からは、当初に計画していたコミュニケーションストラテジーの改善を追究することよりも、英語によるクラスの中で「日本語」をトピックとして扱う二言語併用のアプローチをとることにより、心理的な言語障壁を下げる効果が得られることについて新たな発見があった。来年度もこの方向性について更なる検討を続けることにした。 二言語併用のアプローチは、日本語に関しては非母語話者に対してわかりやすい表現を心がける「やさしい日本語」について扱った。英語を使う際にも「やさしい日本語」で学んだ言語の簡略化の方法が活かされること、学生全員が必ず一度はどちらかの言語の「非母語話者」の立場になることから来る心理的な効果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
英語による多文化クラスにおいて、日本人学生の履修者が少なく、データ収集を当初に予定していたよりも長く続ける必要があったこと、また、論文投稿から査読結果が出るまでに予想していた以上に時間がかかっていること(特に国際論文誌の場合)、注目する論点を「コミュニケーションストラテジー」から「二言語併用アプローチ」に変えたことなど、当初の計画とは違った展開があったことなどが重なり、遅れの原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
多文化クラスにおける実証データの収集については、新たなデータというより補充に使うものであり、引き続き継続すること、また、論文執筆についても引き続き継続するという地道な方法を継続していくことが一番、重要であると考えている。
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Causes of Carryover |
2週連続であった海外での2つの国際学会への渡航を一つにまとめたため、費用が当初の計画よりかなり安くなり、余剰が生じた。翌年度の国際学会での発表を増やすことにより、対応する。
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Research Products
(4 results)