2018 Fiscal Year Research-status Report
英語(EMI)による理工系教育の質保証システム確立の試み
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18K00781
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 正司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90237488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩章 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (10346695)
鈴木 章能 長崎大学, 教育学部, 教授 (70350733)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語による専門授業 / 授業の質保証 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語による理工系専門授業と共通語としての英語(ELF)の関係性について、研究を進めた。専門科目の授業を英語でおこなう際に問題となる英語の諸相とそれを克服するための方策について探求し、ELFの共通核(典型的・中核的用法の多用、周辺的・重複的用法の脱落、簡略化その他)のうち理工系の授業で重要度が高いもの、日本人英語の特徴のなかで理工系授業での相互理解度を高めるものなどについて、解明を試みた。授業を英語化する前と後での授業理解度の変化、英語で説明・理解が難しい内容項目、英語化によるメリット・デメリットと認識される点などについて考察し、「授業内容の伝達」を主眼とする場合には、ネイティブ英語への志向から脱して、「相互理解度の高い英語能力」が求められることを確認した。 英語による授業を行うに際し、英語が足かせとなって授業の遂行がうまくいかない場合について、また質の担保の方法として、教員と学生の側からモチベーションと教授法ならびに学習法から具体的に考察を行った。 上記の研究成果について、日本英語表現学会や日本工学教育協会における研究発表、書籍出版、シンポジウム開催などをおこなって、成果還元にも努力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画で企図していた研究内容を遂行できたことから、順調な進捗状況と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、非英語母語者が授業を英語化する場合において、「モチベーション」「授業の質」「相互理解度の高い英語」の3要素を調査・研究し、3者間の因果関係・相互作用と時間的な展開を分析することに取りかかりたい。こうすることで、現実妥当性の高い「授業の英語化プログラム」を構築することが可能になるからである。特に理工系の教員に焦点をあてた理論と聞き取り・アンケート調査の両面から、内発的・外発的動機、英語化への協力度と英語力の関係性、英語のネットワーク外部性(ユーザー数と便益性が比例関係)に関する認識などについて研究を進めていきたい。それらを通じて、理工系分野において、英語化された授業の「質(レベル)」の検証を図り、英語化が授業内容の深化をもたらすことができる方策を探求していく予定である。
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Causes of Carryover |
共通語としての英語に関するシンポジウムを開催したが、その費用を本務校の校費負担で賄うことができた。それにより、当初の計画より少ない支出で研究が遂行できた。
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Research Products
(5 results)