2022 Fiscal Year Annual Research Report
Devising a methodology and teaching materials to develop critical thinking based on the Toulmin Model
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18K00803
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
椎名 紀久子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 名誉教授 (40261888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 希望 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 准教授 (10726855)
森川 セーラ 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (80506882)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 批判的思考力の育成 / トゥールミン・モデル / 体系的指導と教材作成 / 日常生活・異文化・歴史の題材 / 日本語と英語による教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、クリティカル・シンキング力を養成するために、トゥールミン・モデルを活用した学習用教材を作成し、それらを教育現場で使用してもらい、指導者や学習者からフィードバックを得ることで、今後の指導への指針を得ることであった。 2022年10月には、教材として、『図解で学ぶクリティカル・シンキング:トゥールミン・モデルを活かして』(アルファベータブックス)を出版した。付録に Critical Thinking using the Toulmin Modelと題したクリティカル・シンキング養成用英語教材を収めた。 同書を研究者、教員、大学生、高校生、社会人に配布し、2022年12月までにコメントを収集し、2023年1月と2月にそれらを分析した。その結果、概ね同書が高い評価を得ていることがわかった。特に身近なトピックを題材にして、クリティカルな考え方を図解でわかりやすく解説し、多様なタスクを通して、ステップを踏んで徐々にクリティカル・シンキングを養成する手法が高く評価された。その背景には、クリティカル・シンキングに関して学術的な裏付けのあるトゥールミン・モデルを教材の主軸に据えたことが大きく貢献したようである。英語教材は難易度がやや高いと評価された。 千葉大学では、2022年度末に本研究の成果を活かしたクリティカル・シンキング力養成用英語カリキュラムの高度化が完了し、指導者研修を経て、2023年度4月から英語でクリティカルに思考して議論し発表する授業実践が開始されている。 フェイクニュースが流布し、生成AI(対話型AI「ChatGPT」や画像生成AIなど)が広まりつつある昨今、情報を鵜呑みにせずにクリティカルに思考できる力の養成が、社会生活や学術分野において必須である。それには日常生活の事象についても日頃から批判的に思考する力を鍛錬しておくことが喫緊の課題であると再確信した。
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Research Products
(7 results)