2019 Fiscal Year Research-status Report
An investigation into English spelling cognitive processes for literate Japanese English learners and effective learning methods
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18K00855
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Research Institution | Niigata University of Management |
Principal Investigator |
川崎 眞理子 新潟経営大学, 観光経営学部, 教授 (30779989)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語 / スペリング / 正書法 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語を母語とする英語学習者が、英語学習やその他英語に触れる機会を通じて、どのくらい英語の綴り(スペリング)のしくみに気づいているのか、主に無意識に学習している内容を調査しています。いくつかのアルファベットを並べた英語らしいが実在しないもの(非単語)を音読する実験では、ローマ字の規則の適用が多くみられました。さらに、ローマ字の規則を適用して読む学習者は、英語の規則に容易に気づき、適用できることがわかっています。ここでは、逆の、英語の非単語の読み上げを聞いて、アルファベットで表すことを実験協力者に求めました。実験素材は、主に読み上げに使用したものですが、一部変更し、単語(非単語)としての特性をできる限り揃え、自動読み上げソフトウェアで音声ファイルを作成しました。またパソコン上で自動的に提示し、入力データを収集するため、心理学実験ソフトウェアのプログラムを作成して使いました。実験はパソコンの画面に文字列の一部を提示して(m____)、ヘッドホンから音(meke)を流しました。実験協力者はmの後に思いついた文字をキーボードで入力しました。練習とキーボード入力速度のベースとするために実在する簡単な単語(dog)で練習をしました。英語力の指標としては語彙力を測定するテストを実施しています。実験協力者は大学生20名で、初級から初中級レベル(CEFR-JのA2-B1.1バンド)です。英語の綴りができるかどうかより、前に英語を正確に聞き取れたかどうかのほうが、結果に影響しているようです。日本語の音としてとらえているので、ローマ字の規則で表すという状態ではないでしょうか。音声をどのように聞き取ったかを記録するために、復唱してもらい、その音声を録音したうえで、綴りに表してもらう必要があったのではないかと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度、所属が変わり、着任に伴う新規作業と、その後学部の運営に関わることになり大幅に時間を割くことになりました。後期後半は、学部の学生募集停止案が浮上し、反対のための活動にエフォートを使わざるを得ませんでした。本件は残念な結末を迎えました。さらに後期試験後に予定していた実験は、感染症対策で、実施できないことになりました。非単語のディクテーションテストの報告は2020年4月30日から開催予定でしたLanguage in Focus(マルタ)での発表申込が受理されていましたが、来年に延期になっています。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータは詳細に分析中ですが、音声の処理段階で学習者間の差が生じていることが、観察からわかっています。聞いた音をどのように綴るかから、学習者の正書法知識を探る目的でしたが、英語を正確に聞き取れたかどうかのほうが、結果に影響しているようです。日本語の音としてとらえているので、ローマ字の規則で表すという状態ではないでしょうか。音声をどのように聞き取ったかを記録するために、復唱してもらい、その音声を録音したうえで、綴りに表してもらう必要があったのではないかと考えています。また、文字列を提示して、その文字列が英語の正書法として妥当か否かの判断は、すでに英語母語話者対象の調査結果の報告は存在しますが、同様の調査も行います。 現在のところ、学生さん対象の対面調査がいつ可能になるかわかりません。授業の運営方法も不確定で、さらに時間を消費してしまいますが、今後ウェブを使った心理学実験の手法を早急に学び、研究の遅れを取り戻したいと考えています。
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Causes of Carryover |
2019年末に発表受理された2020年4月末開催の国際学会参加のために確保しました。 2020年2月以降の感染症対策による移動規制により、上述の学会(2021に延期)や国内学会などが不開催となり、また、2020年2月以降予定していました実験が実施できませんでしたので、旅費、謝金予定額を繰り越させていただきます。
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