2018 Fiscal Year Research-status Report
Collaborative research for development of regional study program by Kanagawa Prefectural Museums of Cultural History and Natural History based on rock and building stone
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18K01111
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
丹治 雄一 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (50342944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 浩之 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (60261195)
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70300960)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 石材 / 岩石 / 地域史 / 学習プログラム / 博物館連携 / 文理融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、岩石・石材を素材にして、神奈川県内の各地域における大地の形成(自然史的条件)とそこで展開された人間の営み(歴史的事象)を地域の歴史として一体的に捉え、理解し学ぶことができる地域学習プログラムを、歴史系博物館である神奈川県立歴史博物館と自然史系博物館である神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員を中心とした文理融合の研究組織による協働研究で作成し、その実践を行うことで、地域の歴史に対する理解の促進に資することを目的としている。 研究初年度の平成30年度は神奈川県の横浜・川崎地域、県央地域、県西地域の3地域の学習プログラム作成に着手した。最も作業が進捗したのは、箱根火山のマグマを起源とする箱根山周辺産の安山岩類とその石材利用をおもなテーマとする県西地域で、当初想定した研究プロセスのうち、①基礎調査、②プログラム作成、③実践メニュー試行の3段階まで進めることができ、箱根湯本で実施した現地見学型の実践メニューでは、これから順次進めていく他地域のプログラム作成とその実践にもつながる成果と課題を得ることができた。 また、海底火山の活動で堆積した火山灰や岩石を起源とする丹沢山地産出凝灰岩とその石材利用をテーマとした県央地域の学習プログラム作成は、上記研究プロセスのうち①基礎調査の実施にとどまる一方で、当初計画において研究期間の2年目に実施予定としていた横浜・川崎地域について、研究プロセス①基礎調査に着手することができた。具体的には、横浜に現存する旧横浜船渠株式会社第一号船渠(重要文化財)の使用石材に関する新たな資料を把握し、その分析を進めるなどの調査を行った。新資料を見い出したことは、次年度に実施するプログラム作成とその実践につながる大きな成果であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
県西地域の学習プログラム作成は、当初の想定どおりに進捗したが、県央地域のプログラム作成は計画よりやや遅れており、研究期間の2年目に実施予定としていた横浜・川崎地域のプログラム作成の基礎調査に着手できたことを勘案しても、進捗状況は若干遅れている。本研究は、研究代表者および研究代表者と所属機関が異なる2名の研究分担者による協働研究であるため、研究の具体的な進め方や実践メニューの試行方法などについて十分に議論を行い、方向性の一致を見るまでに一定の時間を要したことがその原因のひとつであったと認識している。しかしながら、令和元年度の研究計画と実践メニューの実施スケジュールは平成30年度中に固めることができたため、次年度は計画どおりに進捗できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請時点では、神奈川県内を5つの地域にわけて、すべての地域の岩石・石材に関わる学習プログラムの開発を目指していたが、現時点では現在着手中の県西地域、県央地域、横浜・川崎地域のプログラム開発とその完成度を高めることに取り組みを集中させるべきであると考えている。現在未着手である三浦半島地域と湘南地域のプログラム作成については、着手中の3地域の進捗状況を見極めながら、研究期間中の実施の可否を含めて検討していくこととしたい。
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Causes of Carryover |
平成30年度に実施予定であった神奈川県外での共同調査が未実施となっため、次年度使用額が生じることとなった。当該調査は令和元年度中に実施できる見通しであることから、同年度分として請求した助成金とあわせて、同年度内にすべて執行する計画である。
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Research Products
(2 results)