2020 Fiscal Year Research-status Report
A geographical study on urban sustainability transitions in Europe
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18K01143
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 潤 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90284562)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 技術革新 / 複雑系 / 共進化 / マルチレベルの視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、都市の持続可能な移行(UST)論に依拠し、UST研究の分析枠組の1つであるマルチレベルの視点(MLP)を用いて、令和2年度には、対象地域での現地調査を通じて、MLPの最下層に位置づけられるミクロレベルのイノベーションによる、MLPの中間層に位置づけられるメソレベルの支配的な社会技術のレジームへの影響とその変容を明らかにすることを目的とし、以下のような研究計画を立てた。まず予備調査で、平成31・令和元年度の研究結果を再検討し、研究対象国であるスウェーデンと連合王国での現地調査を実施する地域を絞り込む一方で、現地調査の調査事項を決定する。つぎに現地調査では、イノベーションによるレジームへの影響を把握するため、予備調査で決定した調査事項にそって、対象地域で30日程度の現地調査を実施する。最後に、現地調査の結果を踏まえて、イノベーションのレジームへの影響とその変容を明らかにする。 上述した研究計画にそって、海外での現地調査を基礎として研究をすすめる予定であったが、令和元年末からの世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響から、令和2年度初めから年度末まで、外務省による渡航中止勧告が上述した対象国に対して発令され、令和3年4月中旬においても発令中である。このことから、平成31・令和元年度の研究結果を再検討した予備調査の成果の一部を図書の一部に反映することはできたものの、現地調査の成果ならびに、現地調査後の分析の結果もえられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述したように世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和2年度の研究計画のうち、現地調査が実施できず、現地調査の成果を踏まえた分析も行えなかったことが評価理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31・令和元年度には、MLPのミクロスケールでの分析を試みた。令和3年度では、令和2年度に予定していた研究計画書にしたがい、イノベーションによるレジームへの影響に関して研究を進める。これはMLPのメソスケールでの分析にあたる。具体的には、まず平成31・令和元年度までに収集した資料を参照しつつ、現地調査の調査項目を再検討する。ついで、これらの調査項目にもとづく現地調査を通じて、イノベーションによるレジームへの影響を把握したい。
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Causes of Carryover |
上述したように、令和2年度には、現地調査が不可能であったため、補助事業期間の延期を申請し、承認された。上述した今後の研究の推進方策にもとづき、令和3年度には、令和2年度に予定していた海外調査を中心に研究を進め、主に現地調査に係る旅費で助成金を使用する。なお令和2年度が助成の最終年度であったため、翌年度分の助成金は無い。
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