2020 Fiscal Year Research-status Report
Activities of Legal Professionals during the Interwar Period and Wartime Regime: An Emprical and Theoretical Study
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18K01231
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
林 真貴子 近畿大学, 法学部, 教授 (70294006)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 法実務家 / 戦時下の弁護士 / 司法代書人 / 法律系雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の戦間期・戦時体制期における法専門職の活動内容を明らかにし、その理論化を試みることである。2018年度には①の戦時体制期における弁護士数の変化について、これまでの司法統計等のデータ整理を行ない、②隣接法律専門職化について、『日本司法書士史―明治・大正・昭和』をはじめ、東京、横浜、大阪、埼玉の司法書士会史や山形県、長野県、山口県の司法書士会史など、また、月報司法書士・月報全青司掲載の歴史についての論文等の収集、複写、分析検討を行なった。また、2019年度には③戦時体制期における法専門職の活動内容(職務内容と生活)等を明らかにするために、『法曹会雑誌』『法律新聞』等を調査し、弁護士に関係する記事を収集し、必要な部分についてデータ入力を行なった。それらを検討しながら、④欧米諸国における戦間期・戦時体制期の法専門職の活動内容との比較の軸(専門職化、 階層化、隣接法律職との関係性、政治との関係性)を策定した。 本年度はさらに、③のうち、『法律新聞』についてのデータ入力・分析とともに、④について、関連する文献等を購入し資料収集にも努め、分析を行なった。特に『法律新聞』は法律家以外の経済人等に向けて発刊するという目的であったとされるが、判決の分析・学理の深化を担う媒体であり、有名弁護士を全国に喧伝するとともに、とくに弁護士試験の内容・実施・四方山話も多く、法専門職化のプロセスに積極的な関与をした。来年度は調査した媒体相互の比較・マッピングとともに、国際比較に注力したい。なお、2021年秋に延期されていたRCSL(Research Committee on Sociology of Law)の大会(会場Lund大学)RCSLでの学会は中止となったため、マックスプランクヨーロッパ法史学法理学研究所にて実施予定の研究会において報告をする予定で準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は新型コロナウィルス感染症の影響等により、本務校の学内入構禁止期間が長く、その解除後も通常の対面授業を実施できていない状況で、学生にアルバイトをお願いすることができず、データ入力作業が滞ってしまったため。また、地方の公文書館・図書館等への史料調査出張ができず、思うように資料収集ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は上記の反省を踏まえ、データ入力作業にアルバイトをお願いできない場合には外注をも検討し、また、文献調査に限定していた点を改め、公文書館・図書館等における史料調査を積極的に実施する。さらに、報告予定であった国際学会が中止となってしまったために、現段階では国際的なワークショップでの報告を予定しているが、引き続き、学会報告の可能性を探りつつ、研究の完成にむけて注力する。
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Causes of Carryover |
当該年度はデータ入力が進まず、また、史料調査・学会報告等の旅費も使用できなかったため、文献研究中心に切り替えるとともに、2021年度にデータ入力を行なう費用として一部を残したため。
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