2018 Fiscal Year Research-status Report
クレジット・カードの民事規制の研究:チャージバックの活用による安全性の向上
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18K01359
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾島 茂樹 金沢大学, 法学系, 教授 (50194551)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クレジットカード / チャージバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は4カ年にわたる研究として研究内容を計画しており、平成30年度は、その1年目に当たる。そこで、平成30年度は、主に文献調査及び聞き取り調査により、研究課題として示した法的課題に関する現状を把握、確認することを主たる研究目的とした。この目的に従い、わが国及び外国の関連文献を収集して法的課題の現状を把握することにつとめた。この点に関しては、文献の収集及び検討は、計画通りおおむね進めることができたものの、年度途中で大学を移籍した関係で、出張の予定をうまく入れることができず、聞き取り調査は一部不十分となった。この点については、必要に応じて、次年度以降に補うことを予定している。 すでに行った文献調査によれば、研究課題における問題意識に示した問題、すなわち、わが国におけるクレジット・カードの利用においては依然として巨額の不正使用があること、その中には、従来、主として問題となっていた他人のクレジット・カードを会員になりすまして使用するという形での不正使用に加え、加盟店の関与による不正使用が重大な課題となっていることが明らかである。この問題については、割賦販売法の改正により行政的規制が強化され、一定の効果が期待されるが、これだけでは、経済的なインセンティブとして、依然として不十分な点が残る。さらに民事的な規制を加えることにより、この問題をより効果的に処理できると考えられる。この祭、極めて有効な手段となると考えられるのがチャージバックであることは、研究計画の通りであると認識できた。 以上の調査・研究から、引き続き研究計画に従い研究を進めていくべきことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において予定していた文献を収集し、検討を進めるとともに、わが国の現状についての調査を進めた。ただ、予定していた聞き取り調査が一部不十分となった。この点については、次年度以降、十分に補えるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に予定していた計画は、研究課題に示した問題点の確認であり、おおむね順調に進展しているので、これを踏まえ、研究計画書において平成31年度(令和元年度)において予定していた研究調査をすすめる。
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Causes of Carryover |
研究計画書で購入を予定していた洋書の費用が予定よりも少なく、また、同じく研究計画書で予定していた聞き取り調査が一部行えなかったので出張の回数が減少した。
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