2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K01375
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
渡邉 泰彦 京都産業大学, 法学部, 教授 (80330752)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家族法 / LGBT / SOGI / 親子法 / 生殖補助医療 / 比較法 / 同性カップル / 性別不合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、比較法研究として、ドイツにおける同性カップルによる親子関係の立法状況を調査し、「同性の両親と子 - ドイツ、オーストリア、スイスの状況 (その7)」(産大法学55巻3・4号797頁)として公表した。女性カップルの一方が提供精子を用いて子を出産した場合に他方もコマザーとして子との間に実親子関係を有する制度を、現在のドイツでは検討している。この論文では、緑の党による法律草案の内容と、その公聴会で賛否双方の立場から専門家が述べた意見の内容を整理し、その後に連邦法務・消費者保護省が公表した「討議部分草案実子法」のうちコマザーに関する規定の提案を紹介した。 日本における同性カップルによる家族形成について概説する「同性カップルによる婚姻・家族」(法学セミナー799号29頁)では、同性婚に関する札幌地判令和3年3月17日を出発点として、同性カップルの家族についてカップル関係の法的承認だけではなく、法的親子関係も重要であることを指摘した。札幌地判令和3年3月17日については、「婚姻から生じる法的効果の享受=同性婚?」(新・判例解説Watch vol.29-101頁)において個別に検討した。同性カップルを両親とする親子関係を認めることの意義を示す本研究の成果からすると、日本において同性婚を導入しない理由とはなりえないことを示す。 家族として保護される前提として、同性カップルの内縁関係については、名古屋地判令和2年6月4日について「同性カップルが犯給法5条1項1号の「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に該当するか」(新・判例解説Watch vol.28-125頁)、東京高判令和2年3月4日について「同性カップルにおいて相手方が他の者と性的関係を持ったことによる事実婚の破綻を理由とする損害賠償請求」(私法判例リマークス64号50頁)で検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、研究期間を2022年度まで延長した。ドイツ法、オーストリア法との比較法研究については、ほぼ終了している。オランダ法の比較法研究について、遅れが生じている。 日本法の研究に関しては、研究内容に関わる重要な裁判例が本年度に現れたため、その内容を検討することが必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度として、比較法研究では、オランダ法の研究成果を取りまとめる。さらに、これまでに行ったオーストリア法とドイツ法の比較法研究の補足をして、本研究全体をまとめる。海外渡航が可能となれば、現地での調査、資料収集を行う。海外渡航を行うことができない状況となれば、文献、インターネットにおける政府、議会の資料をもとにして研究を進める。 日本法の研究では、父母の一方が性別変更を変更することにより両親が同性となる場合に関連して、そのような状態を避けるために性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号が定める「現に未成年の子がいないこと」の憲法適合性に関する最決令和3年11月30日、男性から女性に性別を変更した者への認知の訴えの可否について判断した東京家判令和4年2月28日を対象に研究を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、計画していた海外での資料収集を行うことができなかった。2022年度は、海外での調査、資料収集を行う。コロナの状況で海外渡航が困難な場合には、使用可能な費用の範囲内で文献資料もしくはデータベースを購入することで、実施不可能となった現地調査・資料収集に代えて対処する。
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Research Products
(5 results)